高齢のご家族の通院が大変になってきたら考えたいこと|訪問診療という選択肢
1.「通院が大変そう」と感じたら見直したいこと
高齢になると通院が負担になりやすい理由
高齢になると、これまで問題なく通えていた医療機関への通院が、少しずつ大きな負担になることがあります。加齢に伴って筋力や体力が低下し、歩行や階段の昇降が難しくなるほか、関節の痛みや持病による疲れやすさが影響することも少なくありません。
また、公共交通機関の利用や長時間の待ち時間が身体的な負担となり、「病院へ行くだけで疲れてしまう」という方もいます。その結果、受診を先延ばしにしてしまったり、定期受診を中断してしまったりするケースもあります。
通院が負担になってきたと感じたときは、「年齢のせいだから」と我慢するのではなく、訪問診療など自宅療養を支える医療の選択肢について考えることも大切です。
ご家族が気づきやすい通院の変化
通院の負担は、ご本人よりも一緒に暮らすご家族の方が先に気づくことがあります。例えば、「以前より歩く速度が遅くなった」「病院へ行く日になると疲れた様子を見せる」「受診日を延期したがることが増えた」「付き添いがないと通院できなくなった」といった変化は、通院が負担になっているサインかもしれません。
また、「薬が余るようになった」「受診を忘れることが増えた」といった様子も、継続的な通院が難しくなっている可能性があります。
このような変化がみられた場合には、無理に通院を続ける方法だけでなく、訪問診療による自宅療養という選択肢について医療機関へ相談してみることも大切です。
無理な通院を続けることによる影響
「これまで通えていたから」と無理をして通院を続けることで、ご本人の身体に大きな負担がかかることがあります。移動による疲労が強くなるだけでなく、体調が悪い日に無理をして外出することで転倒や体調悪化につながる可能性もあります。
また、通院が負担になることで受診間隔が空いてしまい、病状の変化に気づく機会を逃してしまうことも少なくありません。慢性疾患では、継続的な診察や服薬管理が重要となるため、定期的な医療を受け続けられる環境を整えることが大切です。
通院そのものが難しくなってきた場合は、自宅で医療を受けられる訪問診療について早めに相談することが、安心した自宅療養につながる場合があります。
2.通院が難しくなると起こりやすい問題

受診間隔が空いてしまう
高齢になると、足腰の衰えや体力の低下、ご家族の付き添いが難しくなることなどから、これまで通院できていた方でも外出が大きな負担になることがあります。その結果、「もう少し様子を見よう」「来月まとめて受診しよう」と受診を先延ばしにしてしまい、診察の間隔が予定より長く空いてしまうケースも少なくありません。
定期的な受診は、病状の確認や薬の調整、体調の変化を早期に把握するために重要です。受診間隔が空くことで、小さな変化を見逃しやすくなる可能性もあります。
通院そのものが負担になってきたと感じたときは、無理を続けるのではなく、自宅療養を支える訪問診療という選択肢について検討することも大切です。
お薬の管理が難しくなる
高齢になると複数の病気を抱えることも多く、それに伴って服用する薬の種類や回数が増える傾向があります。通院が難しくなると処方を受ける機会が減り、薬が不足してしまったり、自己判断で服用を中止したりすることもあります。
また、「飲み忘れた」「同じ薬を重複して飲んでしまった」といった服薬管理のトラブルも起こりやすくなります。こうした状況は、病状の悪化や体調不良につながる可能性があるため注意が必要です。
訪問診療では、定期的な診察に加えて服薬状況を確認し、必要に応じて薬の内容を見直したり、訪問看護や薬剤師と連携しながら無理なく薬を続けられるよう支援したりすることもあります。
病状の変化に気づきにくくなる
通院回数が減ると、医師が定期的に体調を確認する機会も少なくなります。そのため、ご本人やご家族が「年齢のせいだろう」と考えてしまうような小さな変化が、実は病状の変化だったというケースもあります。
例えば、食欲の低下や体重減少、息切れ、むくみ、活動量の低下などは、病気のサインである可能性もあります。しかし、自宅で毎日過ごしていると変化に気づきにくいことも少なくありません。
訪問診療では、定期的に医師が自宅を訪問し、病状だけでなく生活状況も含めて確認することで、体調の変化を早期に把握しやすくなります。継続的に見守る体制を整えることは、自宅療養を安心して続けるための大切なポイントです。
3.訪問診療とは?自宅で受けられる医療を知ろう

訪問診療とはどのような医療か
訪問診療とは、病気や加齢などの理由で通院が難しい方のご自宅や施設へ医師が定期的に訪問し、診察や治療、健康管理を行う医療です。体調が悪くなった時だけに対応するものではなく、あらかじめ診療計画を立て、継続的に診察を行うことが大きな特徴です。
高齢になると、通院そのものが身体的な負担になることも少なくありません。訪問診療では、慢性疾患の管理やお薬の処方に加え、病状や必要性に応じて検査や医療処置などを自宅で受けられる場合があります。
住み慣れた環境で継続して医療を受けられるよう支援し、通院が困難になった後も必要な医療を受け続けられることが、訪問診療の重要な役割です。
往診との違い
「訪問診療」と「往診」は混同されることがありますが、それぞれ目的が異なります。訪問診療は、あらかじめ診療計画を立てたうえで定期的に自宅を訪問し、継続的な医療を提供する仕組みです。一方、往診は発熱や痛みなど急な体調変化が起きた際に、患者さんやご家族からの依頼を受けて臨時に医師が訪問する診療を指します。
つまり、訪問診療は日常的な健康管理や病状の経過観察を目的とし、往診は急な症状への対応を目的としています。在宅医療では、この2つを適切に組み合わせることで、継続的な健康管理と急な体調変化への対応が行われます。
なお、往診や夜間・休日の対応体制は医療機関によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
自宅療養を支える訪問診療の役割
訪問診療は、病気を治療するだけでなく、自宅療養を継続するための医療でもあります。定期的な診察を通じて病状や体調の変化を確認し、お薬の調整や必要な医療処置を行いながら、患者さんの生活全体を支えていきます。
また、医師だけでなく、訪問看護師やケアマネジャー、薬剤師、介護スタッフなど多職種と連携し、それぞれの専門性を生かしながら療養生活を支援することも重要な役割です。
通院が難しくなった場合でも、訪問診療という選択肢を活用することで継続して医療を受けられる可能性があり、ご本人だけでなく、ご家族の通院や介護に伴う負担の軽減につながる場合もあります。
4.訪問診療を検討したいタイミング

歩行や移動に不安がある場合
高齢になると、筋力や体力の低下、関節の痛みなどによって、これまで問題なくできていた通院が大きな負担になることがあります。病院までの移動に時間がかかったり、転倒への不安から外出を控えるようになったりすると、必要な受診を先延ばしにしてしまうことも少なくありません。
その結果、病状の変化に気づくのが遅れる可能性もあります。通院が「できない」状態になる前でも、「以前より移動がつらくなった」「通院するたびに疲れ切ってしまう」と感じるようであれば、訪問診療という選択肢を検討する一つの目安になります。
自宅で継続的な診療を受けられる体制を整えることで、ご本人だけでなく、ご家族の負担軽減にもつながります。
介助がなければ通院できない場合
ご家族の付き添いや介助がなければ通院が難しい場合も、訪問診療を検討するタイミングの一つです。車いすへの移乗や移動、病院での待ち時間などは、ご本人だけでなく付き添うご家族にも大きな負担となることがあります。
また、ご家族が仕事や育児などで付き添いが難しくなると、受診間隔が空いてしまうケースも少なくありません。訪問診療では、医師がご自宅へ定期的に訪問し、診察や健康管理を行うため、移動による身体的な負担を軽減しながら医療を継続しやすくなります。
介助が必要になった段階で早めに相談することで、自宅療養へ無理なく移行できる可能性があります。
退院後の医療管理が必要な場合
退院後も継続的な診察や薬の管理、病状の経過観察が必要な場合には、訪問診療が選択肢となることがあります。例えば、慢性疾患の管理やがん治療後の療養、在宅酸素療法や点滴などの医療管理が必要な場合には、定期的な医療サポートが欠かせません。
しかし、退院直後は体力が十分に回復しておらず、通院そのものが負担になることもあります。訪問診療では、自宅で診察や必要な医療管理を受けられるため、退院後も安心して自宅療養を続けやすくなります。
退院が決まった時点で病院や地域連携室、医療機関へ相談しておくことで、退院後の生活をよりスムーズに始められる場合があります。
5.自宅で受けられる医療にはどのようなものがある?

定期診察と健康管理
訪問診療では、定期的に医師がご自宅を訪問し、病状や体調の変化を確認しながら継続的な健康管理を行います。血圧や脈拍、呼吸状態などの確認に加え、慢性疾患の経過観察や服薬状況の確認なども行い、必要に応じて治療方針を見直します。
高齢の方は体調の変化がゆっくり進行し、ご本人やご家族が気づきにくいことも少なくありません。定期的に診察を受けることで、小さな変化を早期に把握しやすくなり、自宅療養を安心して続けることにつながります。
通院が難しい方でも、住み慣れた環境で継続的な医療を受けられることは、訪問診療の大きな特徴の一つです。
採血・点滴・お薬の管理
訪問診療では、病状に応じて自宅で採血や点滴などの医療処置を受けられる場合があります。採血は病気の経過や治療効果を確認するために行われ、必要に応じて結果をもとに治療内容を調整します。また、脱水や栄養状態の改善などを目的として点滴が行われることもあります。
さらに、複数の薬を服用している高齢の方では、お薬の飲み忘れや重複処方を防ぐため、服薬状況の確認や処方内容の見直しも重要な診療内容です。
ただし、すべての検査や処置を自宅で行えるわけではなく、高度な検査や治療が必要な場合には、医療機関との連携を図りながら適切な対応が行われます。
在宅での症状緩和や医療処置
訪問診療では、病気を治療するだけでなく、症状を和らげながら日常生活を支えることも大切な役割です。例えば、痛みや息苦しさ、発熱などの症状に対して必要な治療を行い、できるだけご自宅で安心して過ごせるよう支援します。
また、在宅酸素療法の管理やカテーテル管理など、継続的な医療処置が必要な場合にも対応できることがあります。さらに、病状の変化に応じて訪問看護や介護サービスと連携しながら、患者さんとご家族の負担軽減を目指します。
病状や治療内容によって対応できる範囲は異なりますが、自宅療養を続けるための医療を継続的に提供することが訪問診療の重要な役割です。
6.自宅療養を支える多職種のサポート

医師・看護師・薬剤師の連携
訪問診療による自宅療養では、医師だけが診療を行うのではなく、看護師や薬剤師など複数の専門職が連携しながら患者さんを支えています。医師は定期的な診察や治療方針の決定、病状の変化への対応を担当し、訪問看護師は日々の体調確認や医療処置、療養生活の支援を行います。
また、必要に応じて訪問薬剤管理指導などを利用する場合には、薬剤師が服薬状況を確認し、飲み忘れや副作用の有無などを確認しながら、安全に薬を継続できるよう支援します。
それぞれの専門職が情報を共有しながら連携することで、病状の変化にも早く気づきやすくなり、患者さんが安心して自宅療養を続けられる環境づくりにつながります。
ケアマネジャー・介護サービスとの協力
自宅療養を続けるためには、医療だけでなく介護サービスとの連携も欠かせません。ケアマネジャーは、患者さんやご家族の生活状況を把握し、必要な介護サービスを調整する役割を担っています。訪問介護やデイサービス、福祉用具の利用なども含め、一人ひとりの状態に合わせた支援計画を作成します。
また、訪問診療を担当する医師や訪問看護師とも情報を共有しながら、医療と介護の両面から支援を行います。
こうした多職種の協力によって、退院後や通院が難しくなった後も、自宅で安心して生活を続けやすい環境を整えることができます。
ご家族の負担を軽減する支援体制
高齢のご家族を介護している方の中には、「体調が急に悪くなったらどうしよう」「仕事と介護を両立できるだろうか」と不安を抱えている方も少なくありません。訪問診療では、患者さんだけでなく、ご家族の負担にも配慮しながら支援を行います。
定期的に医師が自宅を訪問することで通院の負担を軽減できるほか、訪問看護や介護サービスと連携することで、日常生活の支援も受けやすくなります。また、病状の変化や介護に関する悩みについて相談できる環境があることも、ご家族にとって大きな安心につながります。
患者さんとご家族の双方を支えることも、訪問診療の大切な役割の一つです。
7.訪問診療の費用と保険制度

医療保険で受けられる訪問診療
訪問診療は、自宅で継続的な医療を受けられる在宅医療の一つであり、基本的には医療保険が適用されます。医師による定期的な診察をはじめ、必要に応じた処方、採血、点滴、在宅酸素療法の管理など、医療行為に対して保険診療として費用が算定されます。
そのため、病院へ通院して診察を受ける場合と同様に、年齢や所得に応じた自己負担割合で利用することができます。通院が難しくなった高齢の方でも、自宅で継続的な医療を受けられることは訪問診療の大きな特徴です。
具体的な診療内容や費用は病状によって異なるため、利用を検討する際には事前に医療機関へ確認しておくと安心です。
介護保険との違い
訪問診療を利用する際には、医療保険と介護保険の違いを理解しておくことも大切です。訪問診療そのものは医療保険によって行われますが、在宅療養では介護保険サービスと組み合わせて利用することも少なくありません。
例えば、訪問介護やデイサービスなど、日常生活を支えるサービスは介護保険の対象となり、医療とは異なる役割を担っています。また、介護保険の認定を受けている方など一定の要件を満たす場合には、医師による居宅療養管理指導など、介護保険が適用されるサービスを利用できることがあります。
医療と介護はそれぞれ目的が異なる制度ですが、連携して活用することで、自宅療養をより安心して続けられる体制を整えることができます。
費用の目安と考え方
訪問診療にかかる費用は一律ではなく、医療保険の自己負担割合や訪問回数、診療内容によって異なります。一般的には、定期的な訪問診察料を基本として、必要に応じて検査や医療処置、薬剤費などが加算されます。
また、夜間や休日の対応、臨時の往診が必要となった場合には、別途費用が発生することもあります。そのため、「毎月いくらかかる」と一概に決めることはできません。
訪問診療を検討する際には、現在の病状や必要な医療内容を踏まえたうえで、おおよその費用について医療機関へ相談しておくと安心です。不明な点を事前に確認しておくことで、ご本人やご家族も安心して自宅療養を始めやすくなります。
8.訪問診療を始めるまでの流れ

まずは相談から始めよう
訪問診療を検討する際は、「通院が難しくなってきた」と感じた段階で相談を始めることが大切です。歩行に不安がある、付き添いがないと受診できない、退院後の自宅療養に不安があるなど、日常生活の中で困りごとが増えてきたことが相談のきっかけになります。
相談先は、訪問診療を行う医療機関のほか、入院中であれば病院の地域連携室や医療ソーシャルワーカー、介護サービスを利用している場合はケアマネジャーなども含まれます。現在の病状や生活環境を共有することで、訪問診療が適しているかどうかや、必要な準備について具体的な説明を受けることができます。
「まだ利用するか分からない」という段階でも、早めに相談することがスムーズな在宅療養につながります。
初回訪問までの準備
訪問診療を開始することが決まると、初回訪問に向けた準備が進められます。現在通院している医療機関がある場合には、必要に応じて紹介状や検査結果、お薬の内容などを共有し、継続した医療が受けられるよう情報を引き継ぎます。
また、ご本人やご家族から生活状況や介護環境についても確認を行い、自宅療養を支える体制を整えていきます。必要に応じて訪問看護や介護サービスとの連携についても調整が行われるため、退院後や訪問診療開始後の療養生活を円滑に進めることにつながります。
不安なことや気になる点があれば、この段階で相談しておくことも大切です。
継続的な診療が始まるまで
初回訪問では、医師が現在の病状や生活状況を確認し、今後の診療方針について説明を行います。その後は患者さんの状態に応じて定期的な訪問診療が開始され、体調や病状の変化を継続的に確認しながら医療管理を行います。
必要に応じて採血や点滴などの医療処置、薬の調整などが行われるほか、訪問看護や介護サービスとも連携しながら在宅療養を支えていきます。病状が変化した場合には診療内容を見直し、必要に応じて連携医療機関への紹介や入院の調整が行われることもあります。
継続的な診療体制を整えることで、自宅で安心して療養生活を続けるための医療的な支援を受けやすくなります。
9.高齢の方の自宅療養を支える|かなまち慈優クリニックの訪問診療

通院が難しい方に寄り添う訪問診療体制
高齢になると、足腰の痛みや筋力の低下、持病の影響などから通院そのものが大きな負担になることがあります。「病院へ連れて行くのが大変」「受診したいけれど外出が難しい」といった悩みを抱えるご家庭も少なくありません。
かなまち慈優クリニックでは、通院が困難な方を対象に訪問診療を行い、ご自宅で継続的な医療を受けられる体制を整えています。定期的に医師がご自宅を訪問し、診察や処方、必要に応じた検査や医療管理を行いながら、その時々の病状や生活状況に合わせた診療を進めます。
患者さんだけでなく、ご家族の負担にも配慮しながら、自宅で安心して療養を続けられるよう支援しています。
24時間365日の相談体制と地域連携
在宅療養では、「夜間に体調が悪くなったらどうしよう」「休日に急変したら対応してもらえるだろうか」と不安を感じる方も少なくありません。かなまち慈優クリニックでは、訪問診療を受けている患者さんが安心して自宅療養を続けられるよう、24時間365日の相談体制を整えています。
体調の変化があった際には、状況に応じて医療的な判断を行い、必要な対応につなげています。また、訪問看護ステーションやケアマネジャー、介護サービス事業所、地域の医療機関とも連携し、患者さんの状態に応じた支援を行っています。
在宅医療は医師だけで完結するものではなく、多職種が協力しながら患者さんとご家族を支えることを大切にしています。
継続的な診療で自宅療養をサポート
訪問診療は、一度診察を受けて終わる医療ではなく、継続的に病状を確認しながら療養生活を支えていく医療です。かなまち慈優クリニックでは、定期的な訪問診療を通じて体調や生活環境の変化を確認し、その時々の状態に応じて治療方針を見直しています。
慢性疾患の管理や退院後の医療管理、終末期医療など、長期的な支援が必要な場合にも継続して関わることで、自宅での生活を支えています。また、ご家族からの相談にも対応し、介護や療養生活の中で生じる不安や疑問についても一緒に考えながら支援を進めています。
患者さんが住み慣れた環境で安心して生活を続けられるよう、地域と連携しながら継続的な診療を行っています。
10.FAQ|高齢のご家族の通院・訪問診療でよくある質問

親の通院が大変そうですが、いつ訪問診療を検討すればよいですか?
訪問診療を検討するタイミングは、「もう通院できなくなってから」ではありません。病院へ行くたびに強い疲労がみられる、付き添いがないと受診できない、転倒の心配がある、受診を負担に感じて通院間隔が空き始めているなどの場合は、一度相談を検討する目安になります。
また、退院後も継続的な医療管理が必要な方や、慢性疾患を抱えながら生活している方も訪問診療の対象となることがあります。無理に通院を続けることで体力を消耗してしまうこともあるため、「まだ早いかもしれない」と感じる段階でも医療機関へ相談し、現在の状況に合った医療の受け方を検討することが大切です。
通院が負担になり始めた段階で相談することが、安心して自宅療養へ移行する第一歩です。
訪問診療は何歳から利用できますか?
訪問診療は年齢によって利用できるかどうかが決まる制度ではありません。高齢者だけが対象というわけではなく、病気や障害などによって通院が困難な方であれば、年齢にかかわらず利用を検討できる場合があります。
実際には通院が難しくなる高齢の方が利用することが多く、ご家族が「病院まで連れて行くことが難しくなってきた」と感じたことをきっかけに相談されるケースも少なくありません。利用の可否は病状や生活状況などを総合的に判断して決定されるため、「何歳以上なら利用できる」という明確な基準はありません。
気になる場合は、まず現在の状況を医療機関へ相談することが大切です。
一人暮らしでも訪問診療は受けられますか?
一人暮らしの方でも訪問診療を利用できる場合は多くあります。実際に、高齢者の一人暮らしや高齢のご夫婦のみで生活されている方が訪問診療を利用しながら自宅療養を続けているケースも少なくありません。
ただし、病状や生活状況によっては、訪問看護や介護サービスなどと連携しながら支援体制を整えることが重要になります。服薬管理や日常生活の支援が必要な場合には、多職種が協力して療養生活を支えることもあります。
「一人暮らしだから難しい」と考えず、まずは相談してみることをおすすめします。
家族が仕事で付き添えなくても大丈夫ですか?
ご家族が仕事などで日中付き添えない場合でも、訪問診療を利用できるケースは少なくありません。診療内容や患者さんの状態によっては、ご本人のみで診察を受けられる場合もあります。
また、訪問看護師やケアマネジャー、介護スタッフなどが関わることで、ご家族が不在の時間帯も必要な支援を受けられる体制を整えることが可能です。ただし、病状によってはご家族への説明や相談が必要になることもあるため、連絡方法などをあらかじめ確認しておくと安心です。
ご家族だけで介護を抱え込まず、医療や介護サービスを活用しながら支えていくことが大切です。
訪問診療ではどのような診察や治療が受けられますか?
訪問診療では、定期的な診察をはじめ、血圧や脈拍などの健康状態の確認、処方薬の管理、採血や点滴など、病状に応じた医療を自宅で受けられる場合があります。また、慢性疾患の継続的な管理や退院後の医療管理、在宅酸素療法などの管理が必要な場合にも対応が検討されます。
さらに、症状の変化を確認しながら治療内容を見直したり、ご本人やご家族から療養生活について相談を受けたりすることも訪問診療の大切な役割です。
高度な検査や緊急手術などは病院で対応し、必要に応じて医療機関と連携しながら診療が行われます。
定期通院と訪問診療は併用できますか?
病状や治療内容によっては、訪問診療と病院への通院を併用することがあります。例えば、日常的な健康管理や慢性疾患の診療は訪問診療で行い、専門的な検査や高度な治療が必要な場合には病院を受診するといった形です。
ただし、保険制度上の取り扱いや主治医との関係なども関係するため、自由に複数の医療機関を利用できるとは限りません。
患者さんにとって無理のない医療体制を整えるためにも、主治医と相談しながら進めることが大切です。
訪問診療の費用はどれくらいかかりますか?
訪問診療は医療保険が適用されるため、自己負担割合に応じて費用が決まります。診察料のほか、必要に応じて検査や医療処置、薬剤費などが加わるため、毎月の費用は病状や診療内容によって異なります。
また、夜間や休日の往診、臨時の診療が必要になった場合には追加費用が発生することもあります。一方で、高額療養費制度などを利用できる場合もあるため、負担を軽減できるケースもあります。
費用が心配な場合は、利用開始前に医療機関へ相談し、おおよその目安を確認しておくと安心です。
夜間や休日に体調が悪くなった場合はどうなりますか?
自宅療養中は、夜間や休日に発熱や呼吸状態の変化などが起こることもあります。そのため、訪問診療を利用する際には、緊急時の対応体制について確認しておくことが重要です。
医療機関によっては24時間365日体制で相談を受け付けており、症状に応じて電話での指示や往診、必要に応じた救急搬送などを検討します。ただし、対応内容は医療機関によって異なるため、利用開始時に連絡方法や対応の流れを確認しておくことが安心につながります。
万が一のときに慌てないためにも、事前の準備が大切です。
入院が必要になった場合はどうなりますか?
訪問診療を受けていても、病状の変化によって入院が必要になることがあります。その場合は、訪問診療を担当する医師が病状を判断し、必要に応じて連携している医療機関への入院を調整します。
在宅医療は「最後まで自宅で過ごさなければならない」というものではなく、その時々の状態に応じて病院と在宅を行き来しながら医療を受けることもあります。入院治療によって状態が安定した後は、再び訪問診療を利用しながら自宅療養へ戻るケースもあります。
病院との連携体制が整っていることも、訪問診療の重要な役割の一つです。
訪問診療を始めたい場合は何から相談すればよいですか?
訪問診療を始めたいと考えた場合は、「利用できるか分からない」という段階でも相談して問題ありません。現在の病気や服薬状況、通院の負担、ご家族の介護状況などを医療機関へ伝えることで、訪問診療が適しているかどうかを検討できます。
また、入院中であれば病院の主治医や地域連携室、医療ソーシャルワーカーへ相談することもできます。ケアマネジャーがいる場合は、介護サービスとの調整も含めて相談できることがあります。
「最近通院が負担になってきた」と感じた段階で相談を始めることが、自宅で安心して療養を続けるための第一歩になります。
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監修:かなまち慈優クリニック
所在地:東京都葛飾区東金町1丁目41-3 No.5ウバノビル2F
電話番号:03-3609-0133
*監修者
かなまち慈優クリニック 理事長 高山哲朗
*専門分野
・内科
・消化器内科
・緩和医療
・産業医学
*職歴
・慶應義塾大学病院
・東京歯科大学市川総合病院
・北里研究所病院
・埼玉社会保険病院
・わたクリニック 副院長
*資格
・医学博士
・日本内科学会 認定医
・日本内科学会 総合内科専門医
・日本消化器病学会 専門医
・日本消化器内視鏡学会 専門医
・日本医師会 認定産業医
・緩和ケア研修会 修了
*その他の活動
・東海大学医学部 客員准教授
・NPO法人PDN(Patient Doctors Network) 理事
・PEG・在宅医療学会 データ委員
・予測医学研究所 所長
・葛飾区 内視鏡検査読影 世話人

