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睡眠時無呼吸症候群を放置するとどうなる?受診の目安を解説

1.「いびきだけだから大丈夫」は本当?睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とはどんな病気か

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠中に呼吸が何度も止まったり浅くなったりする病気です。一般的には、10秒以上の呼吸停止や低呼吸が繰り返される状態を指します。

睡眠中に十分な酸素を取り込めなくなることで、脳や身体が何度も覚醒し、睡眠の質が低下してしまいます。その結果、日中の強い眠気や集中力の低下、疲労感などにつながることがあります。

睡眠時無呼吸症候群は、単なる睡眠の問題ではなく、全身の健康とも深く関わる病気として知られています。しかし、睡眠中に起こる症状であるため、ご本人が気づかないまま長期間経過することも少なくありません。

大きないびきや睡眠中の呼吸停止を家族から指摘された場合は、一度医療機関へ相談することが大切です。

いびきとの違い

いびきは多くの方にみられる症状ですが、すべてのいびきが睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。いびきは、睡眠中に空気の通り道である上気道が狭くなり、空気が通過する際に周囲の組織が振動することで発生します。

一方、睡眠時無呼吸症候群では、気道がさらに狭くなったり閉塞したりすることで、呼吸そのものが停止または著しく低下する状態が繰り返されます。

特に注意したいのは、「大きないびきの後に呼吸が止まり、その後大きく息を吸う」という状態です。このような症状は睡眠時無呼吸症候群でみられることがあります。

いびきだけでは病気かどうかを判断することは難しいため、気になる症状が続く場合は専門的な検査を受けることが大切です。

自分では気づきにくい病気といわれる理由

睡眠時無呼吸症候群が見逃されやすい理由の一つは、症状の多くが睡眠中に起こることです。呼吸が止まっていても、ご本人はその事実を認識していないことが少なくありません。

また、日中の眠気や疲れやすさについても、「年齢のせい」「仕事が忙しいから」と考え、病気だと思わずに過ごしてしまう方もいます。

実際には、ご家族やパートナーから「いびきが大きい」「寝ている間に呼吸が止まっているように見える」と指摘されて受診につながるケースも多くみられます。さらに、睡眠時無呼吸症候群はゆっくり進行することがあるため、体調の変化に慣れてしまい、異常として認識しにくい場合もあります。

睡眠の質の低下は日常生活にも影響を与える可能性があるため、周囲から指摘を受けた場合や気になる症状が続く場合は、一度医療機関へ相談してみることが大切です。

POINT:睡眠時無呼吸症候群は、いびきだけでは判断できない病気です。家族から呼吸停止や大きないびきを指摘された場合は、早めに相談することが大切です。

2.睡眠時無呼吸症候群でみられる症状

睡眠中に現れるサイン

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠っている間に呼吸が何度も止まったり浅くなったりする病気です。しかし、症状が睡眠中に現れるため、ご本人が異変に気づきにくいという特徴があります。

代表的なサインとしては、大きないびき、いびきが突然止まる、呼吸が止まった後に大きく息を吸う、寝汗をかく、夜中に何度も目が覚めるといったものがあります。

また、十分な睡眠時間を確保しているつもりでも、睡眠の質が低下することで疲労感が残ることがあります。夜間に何度も無意識のうちに覚醒を繰り返しているため、身体がしっかり休息できていない状態になっているのです。

いびきをかくだけだからと軽く考えず、睡眠中の異変を指摘された場合には一度相談することが大切です。

日中の眠気や集中力低下

睡眠時無呼吸症候群の症状は、夜間だけでなく日中の生活にも影響を及ぼします。睡眠中に十分な休息が取れていないため、朝起きても疲れが残っていたり、強い眠気を感じたりすることがあります。仕事中や会議中、運転中などに眠気を感じる場合は注意が必要です。

また、集中力や判断力の低下、記憶力の低下などにつながることもあります。「最近ミスが増えた」「以前より仕事に集中できない」と感じている場合、その背景に睡眠の問題が隠れていることもあります。

睡眠時無呼吸症候群は単なるいびきの問題ではなく、日常生活の質にも関わる疾患です。慢性的な眠気や疲労感が続いている場合には、睡眠状態を確認することが重要です。

家族から指摘されて気づくケースも多い

睡眠時無呼吸症候群は、ご本人よりも家族やパートナーが先に気づくケースが少なくありません。実際に、「いびきが非常に大きい」「寝ている間に呼吸が止まっている」「苦しそうに呼吸をしている」といった指摘を受けたことをきっかけに受診される方も多くみられます。

本人は眠っているため無呼吸に気づきにくく、症状を自覚していないこともあります。そのため、周囲からの指摘は重要なサインの一つです。

また、「寝ても疲れが取れない」「昼間に眠くなる」といった症状があり、さらに家族から無呼吸やいびきを指摘されている場合には、睡眠時無呼吸症候群の可能性を考える必要があります。

早めに相談し、必要に応じて検査を受けることで、現在の状態を正しく把握することにつながります。

POINT:睡眠時無呼吸症候群は、いびきだけでなく日中の眠気や集中力低下などにもつながるため、家族からの指摘や慢性的な疲労感がある場合は早めの相談が大切です。

3.睡眠時無呼吸症候群を放置するとどうなる?

睡眠の質の低下が生活へ与える影響

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。そのため、十分な睡眠時間を確保しているつもりでも、実際には睡眠が何度も中断され、深い睡眠が妨げられていることがあります。

睡眠の質が低下すると、朝起きても疲労感が残ったり、熟睡感が得られなかったりすることがあります。また、集中力や判断力の低下、仕事や家事の効率低下など、日常生活にさまざまな影響が現れることもあります。

さらに、睡眠不足の状態が続くことで、気分の落ち込みや意欲の低下を感じる方もいます。しかし、こうした症状は加齢や仕事の疲れによるものと思われやすく、ご本人が睡眠時無呼吸症候群に気づいていないケースも少なくありません。

「しっかり寝ているはずなのに疲れが取れない」「日中に強い眠気がある」といった症状が続く場合は、睡眠の質そのものに問題が起きている可能性があります。

日中の眠気による事故やトラブルのリスク

睡眠時無呼吸症候群によって睡眠の質が低下すると、日中に強い眠気が生じることがあります。単なる「眠い」という状態ではなく、会議中や読書中、テレビを見ている最中などに強い眠気を感じたり、気づかないうちに居眠りをしてしまったりすることもあります。

特に注意が必要なのは、自動車の運転や機械操作など集中力が求められる場面です。眠気によって注意力や判断力が低下すると、思わぬ事故やトラブルにつながる可能性があります。

また、仕事中のミスや学業への影響、人間関係のストレスなど、生活のさまざまな場面に支障が出ることもあります。日中の眠気は「寝不足だから仕方ない」と軽く考えられがちですが、その背景に睡眠時無呼吸症候群が隠れている場合もあります。

いびきや無呼吸を指摘されたことがある方で、日中の眠気を自覚している場合は、早めに検査や相談を検討することが重要です。

継続的な管理が重要とされる理由

睡眠時無呼吸症候群は、一時的な体調不良ではなく、継続的な管理が必要になることがある病気です。症状の程度や原因によって治療方針は異なりますが、適切な評価や経過観察を行わずに放置すると、睡眠の質の低下が長期間続く可能性があります。

また、睡眠時無呼吸症候群の治療では、CPAP治療が適応となるケースや、生活習慣の見直し、体重管理などが重要になるケースもあります。どのような対応が適切かは、症状や検査結果によって異なるため、自己判断だけで対応することは難しい場合があります。

特に、いびきや日中の眠気が続いている方、ご家族から無呼吸を指摘されたことがある方は、症状が軽いうちに相談することが大切です。

継続的な管理によって現在の状態を把握し、必要に応じた対応を行うことが、安心して日常生活を送るための第一歩につながります。

POINT:睡眠時無呼吸症候群を放置すると、睡眠の質の低下による日常生活への影響や事故のリスクにつながることがあるため、早めの相談と継続的な管理が大切です。

4.「受診した方がいい?」と迷ったときの目安

いびきが大きい場合

いびきは多くの方にみられる症状ですが、「毎日のように大きないびきをかいている」「家族が別の部屋でも聞こえるほど音が大きい」といった場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性を考えるきっかけになります。

睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に空気の通り道である気道が狭くなることで呼吸がしづらくなり、その結果として大きないびきが生じることがあります。ただし、いびきがある方すべてが睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。

重要なのは、いびきの有無だけで判断するのではなく、睡眠の質や日中の体調も含めて確認することです。特に以前よりいびきが大きくなった場合や、家族から心配されることが増えた場合には、一度医療機関へ相談してみることも検討しましょう。

呼吸停止を指摘された場合

睡眠時無呼吸症候群を疑うきっかけとして特に重要なのが、「寝ている間に呼吸が止まっていた」と家族から指摘されるケースです。実際には、本人は眠っているため無呼吸に気づいていないことも少なくありません。

家族から「しばらく呼吸が止まった後に大きく息を吸っていた」「いびきが急に止まったと思ったら苦しそうに呼吸していた」と言われた場合は注意が必要です。睡眠中の無呼吸が繰り返されると、十分な休息が得られず、日中の眠気や疲労感につながることがあります。

呼吸停止を指摘された場合は、症状が軽いと感じていても自己判断で様子を見るのではなく、一度検査を受けて現在の状態を確認することが大切です。

日中の眠気や疲労感が続く場合

十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じたり、慢性的な疲労感が続いたりする場合は、睡眠の質が低下している可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に呼吸が繰り返し妨げられることで深い睡眠が取りにくくなり、本人が気づかないうちに睡眠不足の状態になっていることがあります。「会議中や運転中に眠くなる」「朝起きても疲れが取れない」「集中力が続かない」といった症状がある場合は注意が必要です。

もちろん、眠気や疲労感にはさまざまな原因がありますが、睡眠時無呼吸症候群が関係しているケースもあります。気になる症状が続く場合は、早めに医療機関へ相談し、必要に応じて睡眠状態を確認することが大切です。

POINT:大きないびきや呼吸停止、日中の強い眠気が続く場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性もあるため、早めに医療機関へ相談することが大切です。

5.睡眠時無呼吸症候群はどのように検査するのか

問診で確認する内容

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断では、まず問診が重要な役割を果たします。睡眠中の状態はご自身では気づきにくいため、「いびきが大きいと言われる」「寝ている間に呼吸が止まっていると指摘された」「日中に強い眠気がある」といった症状の有無を確認します。

また、起床時の頭痛や熟睡感の欠如、集中力の低下なども重要な情報となります。さらに、体重の増加、高血圧、糖尿病などの既往歴や生活習慣についても確認が行われます。睡眠時無呼吸症候群は睡眠中だけの問題ではなく、全身の健康状態とも関わるためです。

ご家族からの情報が診断の参考になることも少なくありません。問診によって症状やリスクを把握したうえで、必要に応じて検査へ進み、睡眠時無呼吸症候群の有無や重症度を評価していきます。

自宅で行う簡易検査

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、まず自宅で行える簡易検査が実施されることがあります。簡易検査では、小型の測定機器を装着して普段通りに就寝し、睡眠中の呼吸状態や血液中の酸素濃度などを測定します。

入院の必要がなく、自宅で検査できるため、仕事や日常生活への影響を抑えながら検査を受けられることが特徴です。

この検査によって、睡眠中に呼吸がどの程度止まっているのか、酸素濃度が低下していないかなどを確認し、睡眠時無呼吸症候群の可能性を評価します。いびきや日中の眠気が気になる方にとって、比較的受けやすい検査方法といえるでしょう。

ただし、簡易検査だけでは十分な評価が難しい場合もあるため、結果によってはさらに詳しい検査が必要になることがあります。

精密検査が必要になるケース

簡易検査で睡眠時無呼吸症候群が強く疑われる場合や、症状と検査結果が一致しない場合には、より詳細な評価を行うための精密検査が検討されます。

精密検査では、睡眠中の呼吸状態だけでなく、脳波、眼球運動、心電図、筋電図などを測定し、睡眠の質や無呼吸の状態を総合的に評価します。

また、CPAP治療の適応を判断する際にも、精密検査の結果が参考になることがあります。睡眠時無呼吸症候群には重症度の違いがあり、患者さんによって適した治療法も異なります。

より詳しい検査を行うことで適切な診断と治療方針につなげることが重要であり、正確な評価を受けることは将来的な健康管理のためにも大切な第一歩となります。

POINT:睡眠時無呼吸症候群の診断では、問診だけでなく簡易検査や精密検査を組み合わせながら、症状や重症度を正確に評価することが大切です。

6.CPAP治療とは?睡眠中の呼吸を支える治療

CPAPの仕組み

CPAP(シーパップ)とは、「Continuous Positive Airway Pressure(持続陽圧呼吸療法)」の略で、睡眠時無呼吸症候群の治療に広く用いられている方法です。睡眠時無呼吸症候群では、眠っている間に舌や周囲の組織によって気道が狭くなったり塞がれたりすることで、呼吸が止まる状態が繰り返されます。

CPAP治療では、専用の機械から空気を送り続けることで気道に一定の圧力をかけ、気道が閉塞しにくい状態を維持します。例えるなら、空気の力で気道のトンネルを内側から支えるようなイメージです。その結果、睡眠中の無呼吸や低呼吸の発生を抑え、安定した呼吸を保つことが期待されます。

睡眠時無呼吸症候群は、自分では気づきにくい病気ですが、睡眠中に呼吸が止まる状態が繰り返されることで、睡眠の質が低下し、日中の眠気や集中力低下につながることがあります。

CPAPは、睡眠中の呼吸を安定させ、無呼吸や低呼吸を抑えることを目的とした代表的な治療法の一つです。

CPAP機械とマスクの特徴

CPAP治療では、本体機器とマスクを使用します。本体機器は寝ている間に空気を送り出す役割を担い、マスクは鼻または鼻と口を覆う形で装着します。現在はさまざまな種類のマスクがあり、顔の形や使用感に合わせて選択できるようになっています。

「機械をつけて眠るのは大変そう」と感じる方もいますが、近年のCPAP機器は小型化や静音化が進んでおり、自宅で継続的に使用しやすいよう配慮されています。また、空気の圧力も患者さんの状態に応じて設定されるため、必要以上の負担がかからないよう調整されます。

一方で、使い始めの時期にはマスクの圧迫感や乾燥感などの違和感を覚えることもあります。そのため、定期的な診察を受けながらマスクの種類や装着方法、設定を見直していくことが大切です。

なぜ睡眠時無呼吸症候群に用いられるのか

睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に気道が繰り返し閉塞することで、体内へ十分な酸素を取り込みにくくなります。その結果、睡眠が浅くなり、起床時の疲労感や日中の強い眠気につながることがあります。また、睡眠中の呼吸状態を適切に管理することは、長期的な健康管理の観点からも重要と考えられています。

CPAP治療は、睡眠中の気道閉塞を防ぐことを目的としており、中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群に対して検討されることが多い治療法です。検査結果や症状の程度をもとに適応が判断されるため、すべての方にCPAPが必要になるわけではありません。

「いびきがひどい」「家族から呼吸が止まっていると言われた」「日中の眠気が続いている」といった症状がある場合には、まず検査を受けて状態を把握することが大切です。

適切な診断を受けることで、自分の状態に合った治療方法を選択しやすくなります。

POINT:CPAP治療は、睡眠中に空気の圧力で気道を支え、無呼吸や低呼吸を抑えることで安定した呼吸を維持する治療法です。

7.CPAPの適応となるのはどんな人?

CPAP適応の考え方

CPAP(持続陽圧呼吸療法)は、睡眠時無呼吸症候群の方すべてに行われる治療ではありません。CPAPの適応は、睡眠中の呼吸状態や無呼吸・低呼吸の回数、症状の程度などを総合的に評価したうえで判断されます。

一般的には、睡眠検査によって睡眠時無呼吸症候群と診断され、その重症度や日中の眠気、生活への影響などを踏まえて治療方針が決定されます。

また、「いびきがあるからCPAPが必要」「無呼吸があるから必ずCPAPになる」というわけではありません。症状が軽度の場合には、生活習慣の見直しや他の治療法が検討されることもあります。

反対に、ご本人は症状を自覚していなくても、検査によって治療が必要と判断されるケースもあります。CPAPの適応を正しく判断するためには、自己判断ではなく医療機関で適切な検査を受けることが重要です。

重症度と治療方針の関係

睡眠時無呼吸症候群では、無呼吸や低呼吸がどの程度起きているかによって重症度が評価されます。重症度は治療方針を検討するうえで重要な指標の一つであり、検査結果や症状を総合的に確認しながら管理方法が決定されます。

例えば、日中の強い眠気や集中力の低下がみられる場合には、仕事や日常生活への影響も考慮しながら治療が検討されます。また、睡眠時無呼吸症候群は睡眠中だけの問題ではなく、長期的な健康管理の観点からも適切な対応が重要とされています。

単純に検査結果の数値だけで治療方針が決まるわけではなく、年齢や体格、生活習慣、症状の程度なども踏まえながら総合的に判断されます。

一人ひとりの状態に合わせて治療方法を選択することが、継続的な管理につながります。

CPAP以外の治療が検討されるケース

睡眠時無呼吸症候群の治療というとCPAPをイメージする方も多いかもしれませんが、すべての方にCPAPが適応となるわけではありません。原因や重症度によっては、別の治療法が検討される場合もあります。

例えば、肥満が関係している場合には体重管理や生活習慣の改善が重要になることがあります。また、軽症から中等症の一部では、口腔内装置(マウスピース)による治療が検討されるケースもあります。

さらに、鼻づまりや鼻の病気などが睡眠時の呼吸に影響している場合には、その原因に対する治療が優先されることもあります。

大切なのは、「CPAPか、それ以外か」を自分で判断するのではなく、検査結果に基づいて適切な治療法を選択することです。

睡眠時無呼吸症候群は原因や状態によって対応が異なるため、まずは正確な診断を受けることが治療の第一歩となります。

POINT:CPAPは睡眠時無呼吸症候群の方全員に行う治療ではなく、検査結果や症状、生活への影響などを総合的に評価したうえで適応が判断されます。

8.睡眠時無呼吸症候群の治療を続けるために大切なこと

CPAPを継続する重要性

CPAP治療は、睡眠時無呼吸症候群に対して広く行われている治療法の一つですが、その効果を十分に得るためには継続して使用することが重要です。CPAPは睡眠中に空気を送り込み、気道が閉塞しにくい状態を保つことで呼吸をサポートします。しかし、使用しない日は睡眠中の無呼吸や低呼吸が再び起こる可能性があるため、治療の効果を維持することが難しくなります。

特に、日中の眠気や集中力の低下、起床時の疲労感などの症状は、継続的な治療によって変化を感じる方もいます。一方で、使い始めはマスクの違和感や機械への抵抗感から継続が難しいと感じることもあります。

そのような場合でも自己判断で中断するのではなく、医療機関へ相談しながら使用方法や環境を調整していくことが大切です。睡眠時無呼吸症候群は長期的な管理が必要となる場合があるため、無理なく継続できる方法を見つけることが治療の第一歩になります。

定期受診と経過観察

睡眠時無呼吸症候群の治療では、CPAP機器を使用するだけでなく、定期的な受診による経過観察も重要な役割を担います。治療開始後は、機器が適切に使用できているか、症状に変化があるか、睡眠の状態がどのように推移しているかなどを確認しながら管理を行います。

また、睡眠時無呼吸症候群は体重や生活習慣、加齢などの影響によって状態が変化することがあります。そのため、一度治療を始めたら終わりではなく、その時々の状態に合わせて治療方針を見直すことが大切です。

マスクの違和感や機械の使い方に関する悩みも、定期受診の際に相談することで改善につながる場合があります。安心して治療を続けるためには、医師と相談しながら経過を確認し、自分に合った管理を続けていくことが重要です。

生活習慣の見直しも重要

睡眠時無呼吸症候群の管理では、CPAP治療だけでなく生活習慣の見直しも大切な要素の一つです。特に肥満は睡眠時無呼吸症候群と関連することが知られており、体重管理が治療方針の一部として検討されることがあります。また、飲酒や喫煙、睡眠不足なども症状に影響を与える可能性があるため、日常生活を振り返ることも重要です。

ただし、生活習慣を改善すれば必ず睡眠時無呼吸症候群が解消するというわけではありません。症状の原因や重症度は人によって異なるため、医療機関で適切な評価を受けながら管理を進めることが大切です。

CPAP治療と生活習慣の見直しを組み合わせることで、より良い睡眠環境づくりにつながる場合があります。長く治療を続けていくためにも、無理のない範囲で生活習慣を整えていくことが大切です。

POINT:睡眠時無呼吸症候群の治療は、CPAPの継続使用だけでなく、定期受診や生活習慣の見直しを組み合わせながら長期的に管理していくことが大切です。

9.かなまち慈優クリニックで行う睡眠時無呼吸症候群診療

睡眠時無呼吸症候群の相談から検査まで対応

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、いびきや日中の眠気などの症状があっても、「疲れているだけだろう」と考えて受診を後回しにしてしまう方が少なくありません。しかし、ご本人では症状に気づきにくく、ご家族から「寝ている間に呼吸が止まっている」「いびきが大きい」と指摘されて初めて受診を検討されるケースも多くみられます。

かなまち慈優クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群が疑われる方に対して、まず現在の症状や睡眠状況、生活習慣、既往歴などを丁寧に確認し、必要に応じて検査を行っています。睡眠時無呼吸症候群は症状だけで診断できるものではないため、検査によって睡眠中の呼吸状態を評価し、状態を把握することが重要です。

「CPAP治療が必要なのか知りたい」「自分は睡眠時無呼吸症候群なのだろうか」といった段階でも相談が可能です。症状の程度や検査結果を踏まえながら、一人ひとりに合った治療方針を検討していくことを大切にしています。

CPAP適応の判断と治療開始後のフォロー

睡眠時無呼吸症候群と診断された場合でも、すべての方にCPAP治療が行われるわけではありません。治療方針は、検査結果や症状の程度、生活状況などを総合的に評価したうえで決定されます。

そのため、「いびきがあるからCPAP」「睡眠時無呼吸症候群だから必ずCPAP」というものではなく、適応を適切に判断することが重要です。かなまち慈優クリニックでは、検査結果をもとにCPAP治療の適応について説明し、患者さんが治療内容を理解したうえで進められるよう努めています。

また、CPAP治療は開始して終わりではなく、継続的な管理とフォローが重要な治療です。

実際には、「マスクが合わない」「違和感がある」「うまく使い続けられるか不安」といった悩みを抱える方も少なくありません。そのため、治療開始後も定期的に診察を行い、使用状況や症状の変化を確認しながら、無理なく治療を継続できるようサポートしています。

継続的な診療による治療サポート

睡眠時無呼吸症候群は、診断後の継続的な管理が大切な疾患です。CPAP治療を行う場合も、定期的な受診を通じて治療状況を確認し、その時々の状態に応じた調整を行うことが重要になります。

かなまち慈優クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の治療を長期的な視点で支えることを大切にしています。睡眠中の状態だけでなく、日中の眠気や疲労感、生活習慣の変化なども確認しながら、継続的な診療を行っています。

また、睡眠時無呼吸症候群は体重変化や生活習慣とも関わることがあるため、必要に応じて日常生活について相談することもあります。治療を続ける中で生じる不安や疑問を一人で抱え込まず、医療機関と相談しながら進めていくことが大切です。

「いびきが気になる」「家族に無呼吸を指摘された」「CPAPの適応か知りたい」といった場合は、まず相談から始めることも選択肢の一つです。

POINT:睡眠時無呼吸症候群は診断後の継続的な管理が重要です。かなまち慈優クリニックでは、検査からCPAP治療の適応判断、治療開始後のフォローまで一貫してサポートしています。

10.FAQ|睡眠時無呼吸症候群・CPAP治療でよくある質問

いびきだけでも受診した方がいいですか?

「いびきは体質だから仕方ない」と考えている方は少なくありません。しかし、大きないびきは睡眠時無呼吸症候群のサインである可能性があります。特に、毎晩のように大きないびきをかく場合や、ご家族から「途中で呼吸が止まっているように見える」と指摘された場合には注意が必要です。

もちろん、いびきがあるからといって必ず睡眠時無呼吸症候群とは限りません。しかし、日中の強い眠気や起床時の頭痛、熟睡感のなさなどがある場合には、一度医療機関へ相談することも大切です。

睡眠時無呼吸症候群は、ご本人が気づきにくい病気の一つといわれています。症状が軽いうちに状態を確認することで、適切な治療や管理につながる可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群は自然に治りますか?

睡眠時無呼吸症候群は、原因や重症度によって経過が異なります。肥満や生活習慣が関係している場合には、体重管理や生活習慣の見直しによって症状が変化することもあります。しかし、自然に改善すると自己判断してしまうことはおすすめできません。

睡眠中の無呼吸や低呼吸が続く場合、ご本人が自覚していなくても身体へ負担がかかっている可能性があります。特に、日中の眠気や集中力低下、ご家族から無呼吸を指摘されている場合には注意が必要です。

「様子を見よう」と考えるのではなく、気になる症状がある場合には検査を受けて現在の状態を確認することが大切です。

CPAPは一生続ける必要がありますか?

CPAP治療を始めると、「一度始めたら一生やめられないのでは」と不安に感じる方も少なくありません。CPAPは、睡眠中に空気を送り込むことで気道が閉塞しにくい状態を維持する治療であり、睡眠時無呼吸症候群そのものを直接なくすことを目的とした治療ではありません。

そのため、治療が必要な状態が続いている場合には継続して使用することがあります。一方で、体重変化や生活習慣の改善、病状の変化などによって状態が変わり、再評価の結果として治療方針が見直される場合もあります。

重要なのは、「一生続けなければならない」と決めつけることではなく、その時々の状態に応じて適切な治療を検討していくことです。

CPAPの適応はどのように決まりますか?

CPAP治療は、睡眠時無呼吸症候群と診断されたすべての方に行われるわけではありません。まずは睡眠検査を行い、睡眠中にどの程度呼吸が止まっているかや、酸素状態がどのように変化しているかなどを確認します。

そのうえで、無呼吸の程度や症状の有無、日常生活への影響などを総合的に評価し、CPAP治療の適応を判断します。重症度によってはCPAP治療が検討される一方で、生活習慣の改善や他の治療方法が選択される場合もあります。

適応は検査結果を踏まえて判断されるため、まずは現在の状態を正しく把握することが重要です。

CPAP機械は毎日使う必要がありますか?

CPAP治療は、基本的に毎日の睡眠時に継続して使用することが推奨されています。睡眠時無呼吸症候群では、寝ている間に呼吸が止まったり浅くなったりする状態が繰り返されるため、使用しない日は十分な管理が難しくなる可能性があります。

特に、眠気や疲労感などの症状がある場合には、継続した使用が重要とされています。ただし、使い始めの時期にはマスクや機械に慣れるまで時間がかかることもあります。

毎日使うことが負担に感じる場合には、自己判断で中断するのではなく、医療機関へ相談することが大切です。

マスクが苦しい場合はどうすればいいですか?

CPAP治療では、「マスクが苦しい」「圧迫感がある」「空気が強く感じる」といった悩みがみられることがあります。特に治療開始直後は違和感を覚える方も少なくありません。

しかし、マスクにはさまざまな種類があり、顔の形や使用感に合わせて選択できる場合があります。また、装着方法や空気圧の設定を調整することで改善するケースもあります。

違和感を我慢し続けるのではなく、気になることがあれば早めに相談することが大切です。

CPAP以外の治療法はありますか?

睡眠時無呼吸症候群の治療は、すべての方にCPAPが適応となるわけではありません。症状や重症度、原因によっては、生活習慣の改善や減量、睡眠姿勢の調整などが重要になる場合があります。

また、口腔内装置(マウスピース)による治療が検討されるケースもあります。ただし、適応には条件があるため、検査結果や診断内容を踏まえて治療方針を決定することが重要です。

どの治療法が適しているかは一人ひとり異なるため、医師と相談しながら治療方針を検討することが大切です。

保険診療で受けられますか?

CPAP治療は、睡眠時無呼吸症候群と診断され、検査結果などから治療が必要と判断された場合に保険診療の対象となることがあります。

治療開始前には睡眠検査を行い、その結果をもとに治療方針が決定されます。費用は自己負担割合や診療内容によって異なりますが、保険診療で継続的な管理を受けられる場合があります。

保険適用には一定の条件があるため、詳しい費用や治療内容については診察時に確認することが大切です。

家族に無呼吸を指摘されたら受診すべきですか?

睡眠時無呼吸症候群は、ご本人よりもご家族の方が先に異変に気づくことが少なくありません。「寝ている間に呼吸が止まっている」「大きないびきをかいている」「苦しそうに呼吸している」といった指摘は、受診を考えるきっかけになります。

実際には、ご本人は眠っているため症状を自覚していないことも多く、指摘を受けて初めて相談されるケースもあります。

無呼吸を指摘された場合には一度検査を検討することが大切です。

まず何から相談すればいいですか?

睡眠時無呼吸症候群やCPAP治療が気になる場合は、「自分が治療の対象なのか分からない」という段階でも相談して問題ありません。受診時には、いびきの有無、日中の眠気、起床時の状態、睡眠時間、ご家族から指摘された内容などを伝えると、現在の状態を把握しやすくなります。

睡眠の悩みは長期間続いていても「年齢のせい」「疲れているだけ」と考えてしまうことがあります。しかし、睡眠時無呼吸症候群が隠れている場合もあるため、気になる症状がある場合は早めに相談することが大切です。

まずは現在の状態を確認し、自分に必要な検査や治療について知ることが、適切な管理への第一歩になります。

POINT:睡眠時無呼吸症候群やCPAP治療は、自己判断で様子を見るのではなく、症状や検査結果に応じて適切に管理していくことが大切です。

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監修:かなまち慈優クリニック
所在地:東京都葛飾区東金町1丁目41-3 No.5ウバノビル2F
電話番号:03-3609-0133

   *監修者
かなまち慈優クリニック 理事長 高山哲朗

*専門分野
・内科
・消化器内科
・緩和医療
・産業医学

*職歴
慶應義塾大学病院
東京歯科大学市川総合病院
北里研究所病院
・埼玉社会保険病院
わたクリニック 副院長

*資格
・医学博士
日本内科学会 認定医
・日本内科学会 総合内科専門医
日本消化器病学会 専門医
日本消化器内視鏡学会 専門医
日本医師会 認定産業医
・緩和ケア研修会 修了

*その他の活動
・東海大学医学部 客員准教授
・NPO法人PDN(Patient Doctors Network) 理事
・PEG・在宅医療学会 データ委員
・予測医学研究所 所長
・葛飾区 内視鏡検査読影 世話人

投稿日:2026年6月19日  カテゴリー:理事長コラム

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