日中の眠気やだるさが続く方へ|睡眠時無呼吸症候群の可能性とは
1.しっかり寝ても眠い・だるいのはなぜ?

日中の眠気やだるさが起こる主な原因
日中の眠気やだるさは、単純な睡眠不足だけで起こるものではありません。就寝・起床時間が不規則な生活、夜更かし、飲酒、ストレスなどによって睡眠が十分に取れていない場合のほか、服用している薬の影響や、貧血、甲状腺機能の異常など身体の病気が関係することもあります。
また、十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず眠気が続く場合には、睡眠時無呼吸症候群(SAS)をはじめとする睡眠障害が隠れている可能性も考える必要があります。特に、大きないびきや睡眠中の無呼吸を指摘されている、起床時に頭痛がある、寝ても疲れが取れないといった症状を伴う場合は注意が必要です。
「睡眠時間は足りているから大丈夫」と自己判断せず、眠気が続く場合には原因を確認することが大切です。
睡眠時間だけでは判断できない「睡眠の質」
「毎日7~8時間寝ているのに眠い」という場合には、睡眠時間だけでなく、睡眠の質にも目を向ける必要があります。睡眠中は浅い睡眠と深い睡眠などが繰り返され、身体と脳を休ませています。
しかし、睡眠時無呼吸症候群では、眠っている間に気道(空気の通り道)が狭くなり、呼吸が止まったり浅くなったりする状態が繰り返されます。そのたびに身体が呼吸を再開しようとして睡眠が分断されるため、本人に目覚めた自覚がなくても十分に休めていないことがあります。
その結果、長時間眠ったにもかかわらず、日中の眠気やだるさ、集中力の低下につながる場合があります。睡眠時間を増やしても眠気が改善しない場合は、「何時間寝たか」だけでなく「きちんと眠れているか」を確認することが重要です。
眠気が続くときに確認したい生活習慣と体調の変化
日中の眠気が続く場合は、まず就寝・起床時間、実際の睡眠時間、夜間の飲酒、カフェイン摂取、運動習慣、服用している薬などを振り返ってみましょう。夜更かしや不規則な生活が続いていれば、生活リズムを整えることで眠気が軽減することもあります。
一方、生活習慣を見直しても改善しない場合や、十分に眠っているにもかかわらず強い眠気が続く場合には、身体の病気や睡眠障害について確認することも大切です。特に、大きないびき、睡眠中の無呼吸、起床時の頭痛、夜間に何度も目が覚めるといった変化が重なっている場合には、睡眠時無呼吸症候群の可能性も考えられます。
仕事中や運転中に眠気を感じるほど症状が強い場合は放置せず、早めに医療機関へ相談しましょう。
2.日中の眠気に隠れていることがある睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠中に呼吸が繰り返し止まったり、浅くなったりすることで、睡眠の質や体の状態に影響を及ぼす病気です。代表的なのが「閉塞性睡眠時無呼吸」で、眠っている間に空気の通り道である上気道が狭くなる、あるいは塞がることで起こります。
主な症状には大きないびき、睡眠中の無呼吸、起床時の頭痛や口の渇き、熟睡感の乏しさ、日中の強い眠気やだるさなどがあります。一方で、自覚症状が目立たない方もいるため注意が必要です。
「十分な睡眠時間を取っているのに眠い」「仕事中に強い眠気を感じる」といった状態が続く場合は、単なる寝不足と決めつけず、睡眠時無呼吸症候群の可能性も含めて医療機関へ相談することが大切です。
睡眠中に無呼吸・低呼吸が起こる仕組み
睡眠時無呼吸症候群の多くを占める閉塞性睡眠時無呼吸では、眠ることで舌や喉の周囲の筋肉がゆるみ、上気道が狭くなることが無呼吸・低呼吸につながります。特に、肥満によって首周りに脂肪がついている場合や、顎が小さいなどの骨格的な特徴がある場合には、気道が狭くなりやすいことがあります。
空気の流れが大きく減少する「低呼吸」や、一時的に止まる「無呼吸」が繰り返されると、体内の酸素濃度が低下し、脳が呼吸を再開させるために短い覚醒を起こすことがあります。
この反応が一晩に何度も繰り返されると、本人に目覚めた記憶がなくても、深く安定した睡眠が妨げられます。その結果、翌日の眠気や疲労感につながることがあります。
本人が睡眠中の異変に気づきにくい理由
睡眠時無呼吸症候群では、ご本人が「夜中に呼吸が止まっている」と自覚していないケースが少なくありません。無呼吸や低呼吸によって睡眠が浅くなったとしても、短時間の覚醒では本人の記憶に残らないことがあるためです。
そのため、「夜中に目が覚めないから問題ない」「十分な時間眠っているから大丈夫」とは限りません。実際には、ご家族やパートナーから「大きないびきの途中で呼吸が止まっている」「しばらく静かになった後、大きく息をしている」と指摘され、初めて異変に気づくこともあります。
日中の眠気やだるさ、集中力の低下などが続いている場合や、睡眠中の無呼吸を指摘された場合には、自覚症状の程度だけで判断せず、必要に応じて睡眠検査を受けて状態を確認することが重要です。
3.眠気だけではない|睡眠時無呼吸症候群でみられる症状

大きないびき・無呼吸・息苦しさ
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の代表的な症状の一つが、大きないびきや睡眠中の無呼吸です。特に多い閉塞性睡眠時無呼吸では、眠っている間に舌や喉の周囲の組織などによって気道(空気の通り道)が狭くなり、呼吸が弱くなったり一時的に止まったりします。
その際、大きないびきを繰り返す、いびきが突然途切れる、息苦しそうに呼吸を再開するといった様子がみられることがあります。本人は眠っているため自覚しにくく、ご家族から指摘されて初めて気づくケースも少なくありません。
いびきだけで睡眠時無呼吸症候群と判断することはできませんが、無呼吸や息苦しそうな呼吸を指摘された場合は、医療機関へ相談し、必要に応じて睡眠検査を受けることが大切です。
起床時の頭痛や口の渇き・熟睡感の乏しさ
睡眠時無呼吸症候群では、「長時間寝たのにすっきりしない」「朝から疲れている」といった熟睡感の乏しさが現れることがあります。睡眠中に無呼吸や低呼吸が繰り返されると、身体が呼吸を再開するために短い覚醒反応を何度も起こし、深く安定した睡眠が妨げられるためです。
また、起床時の頭痛がみられる場合もあり、睡眠中の呼吸障害に伴う酸素や二酸化炭素の変化、睡眠の分断など複数の要因が関係すると考えられています。いびきや口呼吸を伴う方では、朝に口や喉の渇きを感じることもあります。
これらは睡眠時無呼吸症候群だけにみられる症状ではありませんが、いびきや日中の眠気なども重なっている場合には、一度睡眠の状態を確認することが重要です。
日中の集中力低下や強い疲労感
睡眠時無呼吸症候群によって睡眠が繰り返し中断されると、十分な睡眠時間を確保していても、日中に強い眠気や疲労感が現れることがあります。「仕事中に眠くなる」「会議や読書中に集中できない」「休日に長く寝ても疲れが取れない」といった変化がみられる場合もあります。
眠気や注意力の低下が強くなると、仕事の能率だけでなく、自動車の運転や機械操作など安全性が求められる場面にも影響する可能性があります。
ただし、日中の眠気やだるさは睡眠不足、薬の影響、ほかの睡眠障害や病気などでも起こるため、症状だけで睡眠時無呼吸症候群と決めることはできません。十分な睡眠を取っているにもかかわらず症状が続く場合は、原因を確認するためにも医療機関への相談を検討しましょう。
4.睡眠時無呼吸症候群になりやすい人の特徴とは

肥満や首周りの体格と気道の関係
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の中でも多い閉塞性睡眠時無呼吸では、肥満が発症リスクの一つとされています。体重が増えると首周りや舌、喉の周囲にも脂肪がつきやすくなり、睡眠中に気道(空気の通り道)が狭くなることがあるためです。
眠っている間は舌や喉の筋肉がゆるむため、もともと気道が狭い方ではさらに空気が通りにくくなり、いびきや無呼吸・低呼吸につながることがあります。
ただし、体重だけで発症の有無や重症度が決まるわけではありません。首周りの太さや脂肪のつき方、年齢など複数の要因が関係します。体重増加に伴っていびきが強くなった方や、日中の眠気が続く方は、一度医療機関で相談してみることが大切です。
顎や顔の骨格・鼻づまりなどが影響する場合
睡眠時無呼吸症候群には、体重だけでなく顎や顔の骨格、鼻の通りやすさなども関係します。例えば、下顎が小さい、顎が後方に位置しているといった骨格的な特徴があると、舌が後方へ下がりやすく、睡眠中の気道が狭くなる場合があります。
また、アレルギー性鼻炎などによる鼻づまりがあると鼻呼吸がしにくくなり、睡眠中の呼吸に影響することがあります。ただし、骨格や鼻づまりがあるからといって、必ず睡眠時無呼吸症候群になるわけではありません。
実際の診断では、いびきや日中の眠気などの症状に加えて、睡眠検査による評価が必要です。ご家族から無呼吸を指摘された場合などは、体型にかかわらず一度相談することをおすすめします。
痩せている人でも発症することがある理由
「睡眠時無呼吸症候群は太っている人の病気」と思われがちですが、痩せている方でも発症することがあります。閉塞性睡眠時無呼吸は、肥満だけではなく、顎の大きさや位置、舌や扁桃など喉周辺の形態、加齢による筋肉の変化など、さまざまな要因によって気道が狭くなることで起こるためです。
特に日本人を含む東アジア人では、肥満が目立たなくても顎顔面の骨格的特徴が発症に関係することがあります。そのため、体型だけを理由に睡眠時無呼吸症候群の可能性を否定することはできません。
痩せていても、大きないびき、睡眠中の無呼吸、起床時の頭痛、日中の強い眠気やだるさなどが続いている場合には、睡眠検査を含めた評価を検討することが大切です。
5.睡眠時無呼吸症候群を放置するとどうなる?

睡眠の質が低下して日中の眠気につながる理由
睡眠時無呼吸症候群では、眠っている間に気道(空気の通り道)が狭くなり、呼吸が止まったり浅くなったりする状態を繰り返します。呼吸が十分にできなくなると、体は呼吸を再開するために一時的に覚醒しやすくなります。
本人に「途中で目が覚めた」という自覚がなくても、短い覚醒が何度も起こることで深く安定した睡眠が妨げられ、睡眠の質が低下します。その結果、十分な時間眠ったつもりでも疲れが取れない、朝すっきり起きられない、日中に強い眠気やだるさを感じるといった症状につながることがあります。
「睡眠時間は足りているのに眠い」という状態が続く場合には、単なる寝不足と考えず、睡眠中の呼吸状態を確認することも大切です。
高血圧など生活習慣病との関連
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠の問題だけではなく、全身の健康にも関係することが知られています。睡眠中に無呼吸や低呼吸を繰り返すと、血液中の酸素濃度が低下し、そのたびに交感神経が活性化して血圧や心拍数が上昇しやすくなります。
こうした状態が繰り返されることで、高血圧との関連が指摘されているほか、心血管疾患や脳血管疾患、糖代謝異常などとの関連も報告されています。
ただし、睡眠時無呼吸症候群があるからといって、必ずこれらの病気を発症するわけではありません。肥満など共通する危険因子もあるため、個々の状態を適切に評価することが重要です。高血圧などの持病があり、いびきや日中の眠気も気になる場合には、医療機関への相談を検討しましょう。
強い眠気による仕事や運転への影響
睡眠時無呼吸症候群によって十分な休息が得られない状態が続くと、日中の強い眠気だけでなく、注意力や集中力、判断力の低下につながることがあります。仕事中に集中が続かない、会議中に眠ってしまう、作業上のミスが増えるなど、日常生活や仕事へ影響する場合もあります。
特に注意したいのが自動車の運転です。強い眠気がある状態での運転は、居眠りや反応の遅れにつながり、交通事故の危険性を高める可能性があります。
運転中に眠気を繰り返す、信号待ちで眠りそうになるといった場合には、無理に運転を続けないことが重要です。日中の眠気が生活や仕事に支障を及ぼしている場合は、睡眠不足だけでなく睡眠時無呼吸症候群などの可能性も含め、早めに医療機関へ相談しましょう。
5.睡眠時無呼吸症候群はどうやって調べる?

問診で確認する症状と生活状況
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断では、まず問診を通じて睡眠中や日中にどのような症状があるかを確認します。代表的なのは、大きないびき、家族から指摘された無呼吸、夜中に何度も目が覚める、起床時の頭痛や口の渇き、十分に寝ても取れない疲労感、日中の強い眠気などです。
また、睡眠時間や飲酒・喫煙習慣、体重の変化、服用している薬なども診断の参考になります。高血圧や心血管疾患などの持病について確認することも重要です。
睡眠時無呼吸症候群は本人が睡眠中の異常に気づいていないこともあるため、ご家族から「呼吸が止まっている」「いびきが急に止まった後、大きく息をする」といった指摘がある場合は、診察時に伝えましょう。問診だけで確定診断するのではなく、症状や背景から必要性を判断し、睡眠検査へ進みます。
自宅などで行う簡易検査とは
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、最初の検査として自宅で簡易検査を行うことがあります。簡易検査では、就寝前に専用の機器を装着し、睡眠中の呼吸状態や血液中の酸素飽和度、脈拍などを測定します。
普段の睡眠環境で検査できるため、入院を必要とせず実施できることが大きな特徴です。検査結果から、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりする頻度や、酸素状態の変化などを確認し、睡眠時無呼吸症候群の可能性を評価します。
ただし、簡易検査だけですべての睡眠障害を詳しく評価できるわけではなく、実際の睡眠時間を正確に測定できない機器もあります。そのため、症状が強いにもかかわらず結果との食い違いがある場合などには、より詳しい検査が必要になることがあります。
より詳しい睡眠検査が必要になる場合
簡易検査だけでは睡眠時無呼吸症候群の状態を十分に判断できない場合には、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)と呼ばれる、より詳しい睡眠検査が検討されます。
PSGでは、呼吸や血液中の酸素飽和度だけでなく、脳波や眼球運動、筋電図、心電図など複数の項目を記録し、実際の睡眠時間や睡眠の深さを含めて総合的に評価します。簡易検査で結果がはっきりしない場合や、検査結果と自覚症状が一致しない場合、ほかの睡眠障害も考慮する必要がある場合などに行われることがあります。
睡眠時無呼吸症候群の治療は、検査で重症度や状態を確認したうえで選択することが重要です。CPAP治療が必要かどうかについても、こうした検査結果や症状、全身状態などを踏まえて医師が総合的に判断します。
7.睡眠時無呼吸症候群の治療方法

CPAP治療とは?気道を確保する仕組み
CPAP(シーパップ)は「持続陽圧呼吸療法」と呼ばれ、主に閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療に用いられる方法です。睡眠中は舌や喉周辺の組織によって気道(空気の通り道)が狭くなり、無呼吸や低呼吸が起こることがあります。
CPAPでは、専用の機械からマスクを通して一定の圧力をかけた空気を送り、気道が塞がりにくい状態を保ちます。これによって睡眠中の無呼吸・低呼吸を抑え、睡眠の質や日中の眠気などの改善を目指します。
ただし、CPAPは原因そのものを取り除く治療ではなく、使用している間の気道閉塞を防ぐ治療です。そのため、適応がある場合には継続的に使用し、定期的な診察で使用状況や治療効果を確認していくことが大切です。
マウスピースや生活習慣改善などCPAP以外の治療
睡眠時無呼吸症候群の治療はCPAPだけではありません。軽症から中等症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群などでは、下顎を前方へ移動させて気道を広げる口腔内装置(マウスピース)が選択肢となることがあります。
また、肥満が関係している場合には減量、飲酒によって症状が悪化する場合には飲酒習慣の見直しなど、生活習慣への対応も重要です。仰向けで無呼吸が増える方では、横向きで眠るなどの体位療法が検討される場合もあります。
鼻や喉の病気、扁桃肥大など気道を狭くする原因がある場合には、耳鼻咽喉科での治療や手術が選択肢になることもあります。自己判断でCPAPを中断したり治療方法を変更したりせず、検査結果をもとに医師と相談することが大切です。
原因と重症度に合わせて治療方法を選ぶことが大切
睡眠時無呼吸症候群は、無呼吸・低呼吸の程度だけでなく、その原因や症状、全身状態によって適した治療方法が異なります。治療方針を決める際には、睡眠検査で無呼吸や低呼吸がどの程度起きているかを確認するとともに、日中の眠気、肥満の有無、顎や気道の形態、鼻づまり、生活習慣、持病なども総合的に評価します。
例えば、CPAPが適している方もいれば、口腔内装置や生活習慣の改善などが検討される方もいます。大切なのは、「いびきがあるからCPAP」と一律に判断するのではなく、一人ひとりの状態に合わせて治療を選択することです。
日中の強い眠気や大きないびき、ご家族から無呼吸を指摘されている場合には、まず医療機関へ相談し、必要な検査を受けることが適切な治療につながります。
8.CPAP治療を始めたら知っておきたいこと

CPAPはどのような場合に適応される?
CPAP(持続陽圧呼吸療法)は、主に閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対して行われる治療です。睡眠中にマスクを装着し、機械から一定の圧力をかけた空気を送り込むことで、狭くなった気道(空気の通り道)が閉塞するのを防ぎます。
ただし、睡眠時無呼吸症候群と診断された方すべてにCPAPが必要になるわけではありません。睡眠検査で確認される無呼吸・低呼吸の頻度や重症度、日中の眠気などの症状、全身状態を踏まえて治療方針を検討します。
また、保険診療でCPAP治療を受ける場合には一定の適用基準があります。生活習慣の改善や口腔内装置など別の治療が適することもあるため、検査結果に基づいて医師と治療方法を相談することが大切です。
毎日の使用と定期的な受診が大切な理由
CPAPは、装着している間に気道を確保し、睡眠中の無呼吸・低呼吸を抑えることを目的とした治療です。そのため、治療効果を得るためには、医師の指示に沿って睡眠時に継続して使用することが重要です。
使用しない日は睡眠中の気道閉塞が再び起こる可能性があり、日中の眠気や熟睡感の乏しさなどにつながることがあります。また、治療開始後は定期的な受診も欠かせません。
診察では、CPAPの使用時間や治療中の呼吸状態、空気漏れなどの記録を確認し、治療が適切に行われているかを評価します。症状や体重、生活状況が変化することもあるため、自己判断で中断せず、気になることがあれば医師へ相談しながら治療を続けることが大切です。
マスクの違和感や使いにくさを感じたときの対応
CPAP治療を始めたばかりの頃は、「マスクが気になる」「空気が漏れる」「鼻や口が乾燥する」「圧迫感や息苦しさを感じる」などの悩みが生じることがあります。こうした問題がある場合でも、すぐにCPAPが自分には合わないと判断する必要はありません。
マスクのサイズや種類、ベルトの締め方を見直したり、乾燥が強い場合には加湿機能の使用を検討したりすることで、使いやすくなる場合があります。空気圧に強い違和感がある場合にも、自己判断で設定を変更せず、医師や医療スタッフへ相談することが重要です。
CPAPは継続して使用することが大切な治療だからこそ、違和感を我慢するのではなく、原因を確認しながら無理なく続けられる方法を探していきましょう。
9.日中の眠気・睡眠の悩みを相談できる|かなまち慈優クリニックの睡眠時無呼吸症候群診療

日中の眠気やいびきの相談から睡眠検査まで対応
「十分に寝ているはずなのに日中眠い」「朝起きても疲れが残っている」「家族からいびきや無呼吸を指摘された」といった症状は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)でみられることがあります。
かなまち慈優クリニックでは、このような睡眠に関する悩みについて相談でき、症状や睡眠状況、生活習慣、既往歴などを確認したうえで、必要に応じて睡眠検査を行います。日中の眠気やだるさには睡眠不足をはじめ、さまざまな原因が考えられるため、症状だけで睡眠時無呼吸症候群と判断することはできません。
睡眠中の呼吸状態を客観的に調べ、原因を見極めることが適切な治療につながります。「病気かどうか分からない」という段階でも、気になる症状が続いている場合は一度相談してみることが大切です。
検査結果に基づくCPAP治療の適応判断
睡眠時無呼吸症候群と診断されても、すべての患者さんがCPAP治療の対象になるわけではありません。かなまち慈優クリニックでは、睡眠検査によって確認された無呼吸・低呼吸の程度や症状、日常生活への影響などを踏まえ、CPAP治療の適応を判断します。
CPAPは、睡眠中にマスクを通じて空気を送り、気道が塞がらないよう一定の圧力をかけることで呼吸を保つ治療です。睡眠時無呼吸症候群の重症度や原因によっては、生活習慣の見直しなどCPAP以外の対応が検討されることもあります。
そのため、「いびきがあるからCPAPが必要」と自己判断するのではなく、まず検査によって状態を把握することが重要です。検査結果について説明を受け、治療の必要性を理解したうえで方針を決めていきます。
CPAP治療開始後も継続的にフォローする診療体制
CPAP治療は、機器を導入して終わりではなく、適切に使用できているかを継続的に確認することが大切です。かなまち慈優クリニックでは、CPAP治療開始後も定期的な診察を行い、機器の使用状況や睡眠の状態、日中の眠気などの変化を確認しながら治療を継続していきます。
治療を始めたばかりの時期には、「マスクが合わない」「空気が漏れる」「乾燥が気になる」「装着すると眠りにくい」といった悩みが生じることもあります。このような場合に自己判断でCPAPを中断するのではなく、医師へ相談しながら使用環境を見直すことが重要です。
定期的なフォローを通じて疑問や困りごとを確認し、無理なく治療を続けられるよう支援しています。
10.FAQ|日中の眠気・睡眠時無呼吸症候群・CPAP治療でよくある質問

しっかり寝ているのに日中眠いのは睡眠時無呼吸症候群ですか?
十分な睡眠時間を確保していても日中の眠気が続く場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因の一つとして考えられます。睡眠中に無呼吸や低呼吸を繰り返すと、眠りが分断され、長時間寝ても十分な休息が得られないことがあります。
ただし、眠気は睡眠不足や生活リズムの乱れ、ほかの病気などでも生じます。大きないびきや無呼吸、起床時の頭痛などを伴う場合は、医療機関へ相談しましょう。
何時間寝ても眠い場合は病院を受診した方がいいですか?
十分な睡眠をとっているにもかかわらず強い眠気が続き、仕事や運転、日常生活に影響している場合は受診を検討しましょう。睡眠時間が長くても、睡眠の質が低下していると休息が十分に得られないことがあります。
特に、会議中や運転中など本来眠る場面ではない状況で眠ってしまう場合は注意が必要です。睡眠時間や生活習慣を見直しても改善しない場合は、一度原因を調べることが大切です。
いびきがなくても睡眠時無呼吸症候群になることはありますか?
いびきが目立たなくても、睡眠時無呼吸症候群の可能性を完全には否定できません。いびきは代表的な症状の一つですが、すべての患者さんに分かりやすく現れるとは限らないためです。
日中の強い眠気や熟睡感の乏しさ、起床時の頭痛、夜間に何度も目が覚めるなど、ほかの症状から疑われることもあります。いびきの有無だけで自己判断せず、気になる症状が続く場合は相談しましょう。
家族に「寝ている間に呼吸が止まっている」と言われたら受診すべきですか?
睡眠中の呼吸停止を繰り返し指摘されている場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため、一度受診することをおすすめします。本人は眠っているため、無呼吸に気づいていないことも少なくありません。
大きないびきの後に呼吸が止まり、その後に大きく息をする様子がある場合などは、医師へ伝えると診断の参考になります。必要に応じて睡眠検査を受け、呼吸状態を客観的に確認することが大切です。
睡眠時無呼吸症候群の検査は自宅でもできますか?
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、自宅で簡易的な睡眠検査を行えることがあります。専用機器を装着して眠り、呼吸の状態や血液中の酸素飽和度などを記録します。その結果から無呼吸・低呼吸の程度を評価します。
ただし、簡易検査だけでは十分に判断できない場合もあります。その際には、医療機関などでより詳しい睡眠検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)が必要になることがあります。
睡眠時無呼吸症候群と診断されたら必ずCPAPが必要ですか?
睡眠時無呼吸症候群と診断されても、すべての方にCPAP治療が必要になるわけではありません。治療方法は無呼吸・低呼吸の程度や症状、原因、全身状態などを踏まえて決定します。
CPAPのほか、減量などの生活習慣改善、睡眠姿勢の工夫、口腔内装置などが検討される場合もあります。検査結果をもとに、自分の状態に適した治療について医師と相談することが重要です。
CPAPを使うと日中の眠気は改善しますか?
睡眠時無呼吸症候群による日中の眠気がある場合、適切なCPAP治療によって眠気の軽減が期待できることがあります。CPAPは睡眠中の気道を確保し、無呼吸や低呼吸を抑えることで睡眠の分断を減らす治療です。
ただし、眠気には睡眠不足や薬の影響、ほかの睡眠障害など別の原因が関係している場合もあります。CPAPを適切に使用しても強い眠気が続く場合は、医師へ相談して原因を確認しましょう。
CPAPは毎晩使わなければいけませんか?
CPAPは、基本的に睡眠時に継続して使用することが大切です。CPAPを装着している間に気道を確保する治療であり、使用しない睡眠中には無呼吸や低呼吸が再び起こる可能性があります。
マスクの圧迫感や乾燥、空気漏れなどによって使用が難しい場合は、自己判断で中断せず医療機関へ相談しましょう。装着方法やマスク、使用環境などを見直すことで継続しやすくなる場合があります。
CPAP治療は保険診療で受けられますか?
睡眠検査などによって睡眠時無呼吸症候群と診断され、所定の適応基準を満たした場合、CPAP治療は健康保険の対象となります。保険診療でCPAPを継続する場合は、医師による定期的な診察や治療状況の確認が必要です。
自己負担額は年齢や所得による負担割合、診療内容などによって異なります。検査やCPAPにかかる具体的な費用については、受診する医療機関で確認するとよいでしょう。
日中の眠気が気になる場合は何科に相談すればいいですか?
日中の眠気に加えて、いびきや睡眠中の無呼吸が疑われる場合は、睡眠時無呼吸症候群を診療している内科、呼吸器内科、耳鼻咽喉科、睡眠外来などが相談先となります。どこへ相談すればよいか迷う場合は、まずかかりつけ医に相談する方法もあります。
十分寝ても強い眠気が続く、家族から無呼吸を指摘される、運転中に眠気を感じるといった場合は、早めの受診を検討しましょう。
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監修:かなまち慈優クリニック
所在地:東京都葛飾区東金町1丁目41-3 No.5ウバノビル2F
電話番号:03-3609-0133
*監修者
かなまち慈優クリニック
理事長 高山哲朗
*専門分野
・内科
・消化器内科
・緩和医療
・産業医学
*職歴
・慶應義塾大学病院
・東京歯科大学市川総合病院
・北里研究所病院
・埼玉社会保険病院
・わたクリニック 副院長
*資格
・医学博士
・日本内科学会 認定医
・日本内科学会 総合内科専門医
・日本消化器病学会 専門医
・日本消化器内視鏡学会 専門医
・日本医師会 認定産業医
・緩和ケア研修会 修了
*その他の活動
・東海大学医学部 客員准教授
・NPO法人PDN(Patient Doctors Network) 理事
・PEG・在宅医療学会 データ委員
・予測医学研究所 所長
・葛飾区 内視鏡検査読影 世話人