訪問診療と往診の違いとは?利用するタイミングや対象者を解説
目次
1.訪問診療と往診の違いとは?まず知っておきたい基本

訪問診療とは?計画的・定期的に医師が訪問する医療
訪問診療とは、病気や障害などによって医療機関への通院が困難な患者さんに対し、医師があらかじめ立てた診療計画に基づいて、自宅や高齢者施設などを定期的に訪問する医療です。
診察では、血圧や体温などの確認に加え、病状の変化や服薬状況、食事・睡眠・日常生活の様子などを総合的に確認します。必要に応じて薬の処方や検査、医療処置などを行い、慢性疾患の管理や療養生活を支えます。
訪問する頻度は患者さんの病状や医療上の必要性によって異なり、一般的には月2回程度を基本とする場合もありますが、一律に決まっているわけではありません。
訪問診療の特徴は、体調が悪くなったときだけでなく、定期的な診察を通じて病状の変化を把握し、必要な医療を継続できることです。通院が負担になってきた方にとって、住み慣れた場所で医療を受けるための選択肢となります。
往診とは?患者さんの求めに応じて必要なときに医師が訪問する医療
往診とは、患者さんやご家族などからの求めに応じて、医師が医学的な必要性を判断し、予定外に自宅などを訪問して診察する医療です。
例えば、急な発熱や体調不良によって医療機関への受診が難しくなった場合や、在宅療養中に病状が変化した場合などに検討されます。訪問診療があらかじめ計画された定期的な診療であるのに対し、往診はその時々の症状や状況に応じて行われる点が特徴です。
ただし、往診は必ずしも緊急時だけに限られるものではなく、医師が訪問による診察を必要と判断した場合に行われます。また、往診を依頼すれば必ず医師が訪問できるわけではなく、医療機関の対応体制や患者さんの状態によって判断されます。
重い呼吸困難や意識障害など、緊急性が高い症状がある場合には、往診を待たずに救急車を要請することが重要です。
訪問診療と往診の違いを「目的・頻度・利用場面」で比較
訪問診療と往診は、どちらも医師が患者さんの自宅などを訪れて診察する医療ですが、目的や利用する場面に違いがあります。
訪問診療は、通院が困難な方の健康状態を継続的に管理することを目的とし、診療計画に沿って定期的に行われます。一方、往診は患者さんからの求めに応じて、医師が必要と判断した際に行う診療であり、訪問する日時や回数があらかじめ決まっているものではありません。
訪問診療と往診の主な違い
| 比較項目 | 訪問診療 | 往診 |
|---|---|---|
| 目的 | 継続的な健康管理・療養支援 | 必要に応じた診察・症状への対応 |
| 訪問頻度 | 診療計画に基づき定期的に訪問 | 医学的に必要と判断された際に訪問 |
| 利用場面 | 慢性疾患の管理、薬の調整、継続的な診察など | 急な発熱、体調不良、病状の変化など |
例えば、慢性疾患の管理や薬の調整を継続する場合には訪問診療が、在宅療養中に急な発熱や症状の悪化が生じた場合には往診が検討されます。また、訪問診療を利用している患者さんが、必要に応じて臨時の往診を受けることもあります。
両者はどちらか一方を選ぶものではなく、病状や生活環境に合わせて役割を分担しながら、在宅療養を支える医療です。
2.訪問診療はどのような人が対象になる?

病気や障害などによって通院が困難な方が主な対象
訪問診療は、病気や障害、身体機能の低下などによって、医療機関への通院が困難な方を主な対象とする医療サービスです。例えば、脳卒中の後遺症で移動が難しい方、認知症によって一人での通院が困難な方、心不全や呼吸器疾患などで外出による身体的負担が大きい方などが該当する場合があります。
また、がんの治療中や退院後の療養生活において、継続的な医学管理が必要な方も対象となることがあります。訪問診療では、医師があらかじめ診療計画を立て、定期的に自宅などを訪問して診察や薬の処方、病状の確認などを行います。
ただし、特定の病名や年齢だけで利用できるかが決まるわけではありません。患者さんの病状や移動能力、生活環境などを総合的に確認し、継続的な通院が困難な状態かどうかを医学的に判断することが重要です。通院に不安を感じている場合は、まず医療機関へ相談してみるとよいでしょう。
寝たきりでなくても訪問診療を利用できる場合がある
訪問診療は寝たきりの方だけが利用するものではありません。自宅の中では歩ける状態であっても、医療機関まで移動することが難しい場合や、通院によって身体に大きな負担がかかる場合には、訪問診療の対象となることがあります。
例えば、足腰の筋力が低下して長距離を歩けない方、車椅子での移動に介助が必要な方、認知症などによって外出時の安全確保が難しい方などです。また、病状によっては、外出後に強い疲労や息切れが生じ、定期的な受診を続けることが難しくなる場合もあります。
ただし、「一人で通院するのが面倒」「自宅で診察を受けたい」という希望だけで、保険診療による訪問診療の対象になるわけではありません。歩行能力だけで判断せず、病状や通院に伴う負担、必要な支援などを踏まえて検討します。現在は歩けていても、通院が負担になってきた場合は早めに相談することが大切です。
外来通院から訪問診療への切り替えを考えるタイミング
外来通院から訪問診療への切り替えを考える目安は、通院による負担が大きくなり、必要な診察や治療を継続することが難しくなってきたときです。例えば、通院するだけで強く疲れてしまう、転倒への不安がある、家族の付き添いがなければ受診できない、体調不良によって予約日に通院できないことが増えた場合などが挙げられます。
また、慢性疾患の管理や服薬調整が必要であるにもかかわらず、通院の負担から受診間隔が空いてしまう場合も注意が必要です。訪問診療は、完全に外出できなくなってから検討するものとは限りません。現在の病状や生活環境、今後必要になる医療を確認しながら、適切なタイミングを考えることが重要です。
外来通院と訪問診療のどちらが適しているか迷う場合は、かかりつけ医や訪問診療を行う医療機関へ相談し、無理なく診療を継続できる方法を検討しましょう。
3.往診はどのようなときに利用できる?

発熱や体調の急変などで通院が難しい場合
往診は、発熱や体調の急な変化などによって医療機関への通院が困難になった際、患者さんやご家族などの求めに応じて、医師が必要性を判断し、自宅などへ訪問して診察を行う医療です。
例えば、高齢の方が急に発熱して起き上がることが難しくなった場合や、持病の悪化によって移動が大きな負担となる場合などに検討されます。また、在宅療養中の患者さんに痛みや息苦しさ、食欲低下などの変化が生じた際にも、状態に応じて往診が行われることがあります。
ただし、体調が悪ければ必ず往診を受けられるわけではなく、症状の緊急性や医療機関の対応体制などを踏まえた判断が必要です。往診は救急医療の代わりになるものではありません。意識障害や強い呼吸困難などがある場合には、救急搬送を優先する必要があります。
通院が難しい状態で体調に変化があった場合は、まず医療機関へ連絡し、症状や経過を具体的に伝えることが大切です。
往診を依頼してから診察を受けるまでの一般的な流れ
往診を希望する場合は、まずかかりつけ医や往診に対応している医療機関へ連絡し、現在の症状や通院が難しい理由を伝えます。
医療機関では、発熱の有無や症状が始まった時間、呼吸状態、意識の状態、持病、服用中の薬などを確認し、往診の必要性や緊急性を判断します。往診が可能と判断された場合には、訪問時間や診察場所などを調整し、医師が自宅などで診察を行います。
診察後は、必要に応じて薬の処方や処置、経過観察の方法について説明が行われます。ただし、往診を依頼した当日に必ず診察を受けられるとは限りません。医療機関の診療体制や対応地域、ほかの患者さんへの対応状況によって異なります。
また、症状によっては往診を待つよりも、救急外来の受診や救急搬送が適切な場合があります。緊急時に慌てないためにも、普段から連絡先や対応方法を確認しておくことが大切です。
往診で対応できる症状と救急搬送が必要な症状
往診では、医師が自宅などで診察を行い、患者さんの状態や必要な医療を判断します。例えば、発熱や食欲低下、持病に伴う症状の変化などについて、診察や薬の調整、経過観察が行われる場合があります。
ただし、往診で実施できる検査や処置には限りがあり、すべての症状に自宅で対応できるわけではありません。
特に、突然の強い胸の痛み、重い呼吸困難、意識がはっきりしない状態、突然の片側の手足の麻痺や言葉の出にくさ、大量の出血などがみられる場合は、生命に関わる病気の可能性があります。
突然の強い胸の痛みや重い呼吸困難、意識障害、片側の手足の麻痺、大量の出血などは、速やかな救急対応が必要となる可能性があります。
また、症状が比較的軽く見えても、急速に悪化している場合には緊急の診察が必要になることがあります。
往診と救急搬送のどちらが適切か迷う場合は、医療機関へ速やかに相談し、緊急性が高いと考えられる場合は救急要請を優先しましょう。
4.訪問診療と往診では受けられる医療に違いがある?

訪問診療で行う定期的な診察・処方・健康管理
訪問診療では、医師があらかじめ立てた診療計画に基づいて定期的に患者さんの自宅などを訪問し、診察や薬の処方、健康状態の管理を行います。血圧や脈拍、体温、呼吸状態などの確認に加え、持病の経過や食事・水分摂取量、睡眠、排泄状況など、日常生活に関わる変化も把握します。
高血圧や糖尿病、心不全などの慢性疾患がある方では、症状や検査結果に応じて薬の種類・量を調整し、病状の安定を目指します。また、必要に応じて採血や点滴、在宅酸素療法などの医療管理を行う場合もあります。
訪問診療の特徴は、体調が悪くなったときだけでなく、継続的に状態を確認できることです。定期的な診察を通じて小さな変化を把握し、病状の悪化を早期に察知することや、必要な医療につなげることが期待できます。
ご本人やご家族の困りごとを確認しながら、在宅療養を継続的に支える役割も担っています。
往診で行う診察・応急的な対応と治療方針の判断
往診は、患者さんやご家族などからの求めに応じて、医師が医学的に必要と判断した場合に自宅などへ訪問して診察を行う医療です。例えば、急な発熱や腹痛、食欲低下、持病の症状の悪化などによって通院が難しくなった場合に、往診が検討されることがあります。
診察では、症状が現れた時期や経過、血圧・体温・呼吸状態などを確認し、必要に応じて薬の処方や応急的な処置を行います。ただし、往診は救急医療の代わりになるものではなく、自宅で対応できる範囲には限りがあります。
診察の結果、詳しい検査や入院治療が必要と判断された場合には、医療機関への受診や救急搬送を検討します。
往診の重要な役割は、その場で症状に対応するだけでなく、患者さんの状態を医学的に評価し、今後必要な診療や治療を判断することにもあります。
自宅で対応できない検査や治療が必要になった場合
訪問診療や往診では、自宅で診察や一定の医療処置を受けられますが、病院と同じ検査・治療をすべて行えるわけではありません。例えば、CTやMRIなどの画像検査、内視鏡検査、手術、集中的な全身管理が必要な場合には、医療機関での対応が求められます。
また、急激な呼吸状態の悪化や意識障害、大量の出血など、緊急性が高い症状がある場合には、往診を待たずに救急搬送が必要になることもあります。
在宅医療では、患者さんの病状や検査・治療の必要性を判断し、自宅で対応できることと病院で行うべきことを適切に分けることが重要です。必要に応じて地域の医療機関と連携し、検査や入院治療につなげることで、医療の継続性を保ちます。
訪問診療を利用しているからといって、病院での治療を受けられなくなるわけではなく、状態に応じて医療の受け方を組み合わせることができます。
5.訪問診療と往診は併用できる?在宅療養中の医療体制

定期的な訪問診療と臨時の往診を組み合わせる仕組み
訪問診療と往診は、必要に応じて組み合わせることができ、在宅療養を支えるうえでそれぞれ異なる役割を担っています。訪問診療は、医師があらかじめ立てた診療計画に基づいて定期的に自宅などを訪問し、病状の確認や薬の処方、慢性疾患の管理などを行う医療です。
一方、往診は、発熱や呼吸状態の変化、痛みの悪化などが起こった際に、患者さんやご家族からの求めに応じて医師が必要性を判断し、臨時に訪問するものです。
例えば、普段は定期的な訪問診療で健康状態を確認し、急な体調変化があった場合には必要に応じて往診を受けるという方法があります。
ただし、すべての医療機関が同じ時間帯や条件で往診に対応しているわけではありません。在宅療養を始める際には、緊急時の連絡方法や対応体制を確認しておくことが大切です。
訪問診療を利用していない方でも往診を受けられる?
訪問診療を利用していない方でも、病状などによって医療機関への通院が難しい場合には、往診を受けられることがあります。往診は、定期的な訪問診療の契約をしている患者さんだけを対象としたものではなく、患者さんやご家族からの求めを受け、医師が訪問の必要性を判断して行う診療です。
ただし、往診を希望すれば必ず医師が来てくれるというわけではありません。医療機関の対応地域や診療体制、患者さんの症状、緊急性などによって、往診の可否や対応方法は異なります。
また、急激な意識障害や重い呼吸困難など、生命に関わる症状がある場合には、往診を待たずに救急車を呼ぶ必要があります。
通院が難しい状態が継続している場合には、一時的な往診だけでなく、定期的な訪問診療の利用について相談することも選択肢になります。
訪問看護や病院との連携が必要になるケース
在宅療養では、訪問診療や往診だけでなく、訪問看護や病院などとの連携が必要になる場合があります。例えば、日常的な体調確認や医療処置、服薬管理の支援などが必要な方では、医師の指示に基づく訪問看護を組み合わせることで、継続的な健康管理につなげられます。
また、発熱や食欲低下、呼吸状態の変化などがみられた際には、訪問看護師から医師へ情報を共有し、往診や治療方針の見直しが必要かを判断することもあります。
一方、自宅では実施できない詳しい検査や専門的な治療、入院管理が必要になった場合には、病院での診療が検討されます。
在宅医療は、すべての医療を自宅だけで完結させる仕組みではありません。患者さんの病状や生活状況に応じて、医療・介護の専門職が役割を分担し、必要な医療につなげることが重要です。
6.訪問診療と往診の費用はどう違う?

訪問診療の費用と医療保険の基本的な仕組み
訪問診療は、病気や障害などによって通院が困難な方を対象に、医師が計画的・定期的に自宅などを訪問する医療であり、所定の条件を満たす場合は健康保険が適用されます。
費用には、医師が訪問して診察を行う際の診療報酬に加え、患者さんの病状や療養環境に応じて継続的な医学管理を行うための費用などが含まれる場合があります。また、採血や点滴、処置などを実施した場合には、別途費用が発生することもあります。
自己負担額は、健康保険の負担割合や訪問回数、診療内容、医療機関の施設基準などによって異なります。
訪問診療は単に医師が自宅へ来るサービスではなく、継続的な健康管理を行う医療であるため、外来通院とは費用の仕組みが異なることを理解しておくことが大切です。
利用を検討する際には、毎月の診療費の目安や追加費用が発生する条件を事前に確認しておくとよいでしょう。
往診の費用と時間外・休日・深夜の加算
往診は、患者さんやご家族などからの求めに応じて、医師が医学的な必要性を判断し、自宅などへ訪問して診察を行う医療です。健康保険の適用条件を満たす場合には、通常の診察に関する費用に加えて、往診料などが算定されます。
また、夜間や休日、深夜などに往診を受けた場合は、診療時間帯や医療機関の体制、所定の算定要件に応じて加算が発生することがあります。
ただし、夜間や休日の往診であれば必ず同じ金額が加算されるわけではありません。訪問診療を利用している患者さんへの臨時の往診でも、実際の診療内容や時間帯などによって費用が変わります。
急な体調変化に備え、普段から往診の連絡方法とともに、時間外の診療費や追加費用について確認しておくことが大切です。
なお、生命に危険が及ぶような症状がある場合は、費用よりも救急対応を優先する必要があります。
自己負担額を確認するときに知っておきたいこと
訪問診療や往診の自己負担額を確認する際は、診察にかかる費用だけでなく、医学管理料や検査・処置、薬剤、時間外対応などの費用も含めて考えることが重要です。
健康保険の自己負担割合は年齢や所得などによって異なり、同じ診療を受けても実際の支払額が異なる場合があります。また、医療費が高額になった場合には、高額療養費制度によって自己負担が一定の上限額までに抑えられることがあります。
介護保険を利用している方では、訪問看護や介護サービスなどの費用が別に発生する場合もあるため、医療保険と介護保険の負担を分けて確認することが大切です。
訪問診療を開始する前には、月々の基本的な費用に加え、臨時の往診や検査が必要になった場合の目安についても医療機関へ相談しましょう。
費用の仕組みを理解しておくことは、無理のない在宅療養の計画を立てるうえでも役立ちます。
7.夜間・休日に体調が悪くなったら?往診と救急医療の違い

24時間対応の訪問診療とはどのような体制?
24時間対応の訪問診療とは、在宅療養中の患者さんが夜間や休日に体調を崩した場合にも、医療機関へ連絡し、必要な対応について相談できる体制を指します。
定期的な訪問診療を受けている方でも、発熱や呼吸状態の変化、痛みの悪化など、予期しない症状が生じることがあります。その際には、医師や看護師などが症状や緊急性を確認し、電話での指示、臨時の往診、救急受診など、状況に応じた対応を検討します。
ただし、24時間対応だからといって、すべての連絡に対して直ちに医師が自宅へ訪問するわけではありません。また、対応できる範囲や連絡方法は医療機関によって異なります。
在宅療養を始める際には、夜間・休日の連絡先や緊急時の対応方法、入院が必要になった場合の連携体制などを確認しておくことが大切です。患者さんだけでなく、ご家族も対応の流れを把握しておくと、急な体調変化が起きた際に落ち着いて行動しやすくなります。
夜間・休日の往診を依頼するときの連絡方法
夜間や休日に往診が必要と思われる場合は、まず訪問診療を担当している医療機関の緊急連絡先へ連絡し、現在の症状を具体的に伝えることが基本です。
電話では、患者さんの氏名、症状が始まった時間、発熱の有無、呼吸の状態、意識の変化、服用している薬などを、分かる範囲で説明します。
医療機関では、伝えられた情報をもとに緊急性を判断し、電話での対応や往診、病院への受診などを検討します。往診は患者さんやご家族からの依頼だけで必ず実施されるものではなく、医師が医学的な必要性を判断して行う診療です。
また、訪問診療を利用していない方が夜間・休日に往診を希望する場合、対応できる医療機関が限られることもあります。
連絡先や利用条件を事前に確認し、診察券やお薬手帳、普段の体温・血圧などの情報を整理しておくことで、体調が変化した際にも状況を伝えやすくなります。
往診を待たずに救急車を呼ぶべき症状とは
在宅療養中であっても、生命に関わる可能性がある症状が現れた場合は、往診を待たずに119番へ連絡することが重要です。
例えば、突然の強い胸の痛み、呼吸が著しく苦しい、意識がない・呼びかけへの反応が悪い、突然片側の手足が動かなくなった、ろれつが回らない、大量の出血があるといった症状は、緊急の医療処置が必要な可能性があります。
- 突然の強い胸の痛み
- 呼吸が著しく苦しい状態
- 意識がない、呼びかけへの反応が悪い
- 突然、片側の手足が動かなくなった
- 突然ろれつが回らなくなった
- 大量の出血がある
これらは心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気でもみられ、対応が遅れることで状態が悪化するおそれがあります。
訪問診療や往診は自宅で医療を受けるための重要な仕組みですが、救急医療の代わりになるものではありません。
救急車を呼ぶ際には、患者さんの症状や住所、持病、服用薬などを伝え、救急隊の指示に従ってください。
緊急性の判断に迷う場合も、症状が重いときは救急要請を優先し、必要に応じて訪問診療の担当医療機関にも連絡しましょう。
8.訪問診療・往診を利用する前に確認しておきたいこと

訪問診療を始めるまでの相談・診察・契約の流れ
訪問診療を利用する際は、まず現在の主治医や訪問診療を行っている医療機関へ相談することから始まります。
入院中の場合は、病院の地域連携部門や医療ソーシャルワーカー、介護保険サービスを利用している場合はケアマネジャーに相談する方法もあります。
その後、患者さんの病状や通院が困難な理由、生活環境、必要な医療処置などを確認し、訪問診療の対象となるかを判断します。
利用が決まった場合は、診療内容や訪問頻度、費用、緊急時の対応方法などについて説明を受け、必要な同意・契約手続きを進めるのが一般的です。
診療情報提供書やお薬手帳などがあると、これまでの治療経過を共有しやすくなります。
訪問診療は、医師が計画的・定期的に自宅などを訪問する医療であるため、開始前に診療方針や連絡体制を確認しておくことが大切です。
往診を依頼できる医療機関や対応地域の確認
往診を希望する場合は、医療機関が往診に対応しているか、現在の住所が対応地域に含まれているかを事前に確認することが重要です。
往診は、患者さんやご家族などからの求めに応じて、医師が医学的な必要性を判断したうえで自宅などを訪問する診療です。
そのため、すべての医療機関が往診を行っているわけではなく、対応できる曜日や時間帯、地域にも違いがあります。
また、往診を依頼すれば必ず訪問してもらえるというものではなく、症状や緊急性、医療機関の診療体制などによって対応が判断されます。
定期的な訪問診療を利用している方は、夜間・休日を含む連絡先や臨時の往診について確認しておくとよいでしょう。
急な体調変化に備え、どこへ連絡すればよいかを家族間で共有しておくことも大切です。
ご本人・ご家族が準備しておきたい医療情報と緊急連絡先
訪問診療や往診を円滑に受けるためには、患者さんの健康状態やこれまでの治療経過を医師へ正確に伝えられるよう、必要な情報を整理しておくことが大切です。
具体的には、現在治療している病気、過去の病歴、服用中の薬、薬や食物のアレルギー、かかりつけ医、最近の検査結果などが挙げられます。
事前に整理しておきたい情報
- 現在治療している病気・過去の病歴
- 服用中の薬・お薬手帳
- 薬や食物のアレルギー
- かかりつけ医・診療情報提供書
- 最近の検査結果
- 訪問診療を担当する医療機関の連絡先
- 夜間・休日の緊急連絡方法
- ご家族などの緊急連絡先
お薬手帳や診療情報提供書がある場合は、すぐに確認できる場所へ保管しておくと役立ちます。
また、急な体調変化に備えて、訪問診療を担当する医療機関の連絡先や夜間・休日の連絡方法、ご家族などの緊急連絡先も整理しておきましょう。
ご本人が希望する療養方法や、入院が必要になった場合の考え方についても、可能な範囲で話し合っておくことが重要です。
事前の準備が、必要な医療へ円滑につながる助けになります。
9.訪問診療と往診で在宅療養を支える|かなまち慈優クリニックの診療体制

通院が難しい方への定期的な訪問診療と継続的な健康管理
病気や加齢などによって外来通院が難しくなった場合でも、必要な医療を継続して受けられる環境を整えることが大切です。
かなまち慈優クリニックでは、通院が困難な患者さんを対象に、医師が定期的にご自宅などを訪問する訪問診療を行っています。
診察では、血圧や脈拍などの基本的な健康状態に加え、持病の経過や服薬状況、食事・睡眠・日常生活の変化などを確認し、必要に応じて薬の処方や治療方針の見直しを行います。
また、在宅療養では、患者さんの病状だけでなく、ご家族の介護状況や生活環境を把握することも重要です。
「通院するだけで疲れてしまう」「付き添いが難しくなってきた」といった悩みについても相談しながら、患者さんの状態や希望に応じた医療の受け方を検討します。
定期的な診察を通じて体調の変化を把握し、住み慣れた環境で療養を続けられるよう支援しています。
24時間365日の連絡・対応体制と必要に応じた往診
在宅療養を考える際、「夜間に急に体調が悪くなったらどうしよう」「休日に発熱した場合は誰に相談すればよいのか」と不安を感じる患者さんやご家族も少なくありません。
かなまち慈優クリニックでは、訪問診療を利用している患者さんの急な体調変化に備え、24時間365日の連絡・対応体制を整えています。
定期的な訪問診療とは異なり、往診は患者さんの求めに応じて、医師が医学的な必要性を判断して行う診療です。
体調が変化した際には、症状や緊急性を確認したうえで、必要に応じて往診や医療機関への受診、入院などを検討します。
ただし、24時間対応は、すべての状況で直ちに医師が訪問することを意味するものではありません。
患者さんやご家族が急な変化に適切に対応できるよう、連絡方法や緊急時の対応についても確認しながら、在宅療養を支えています。
訪問看護・地域医療機関との連携による在宅療養の支援
在宅療養を継続するためには、医師による訪問診療や往診だけでなく、患者さんの日常生活を支えるさまざまな専門職との連携が欠かせません。
かなまち慈優クリニックでは、訪問看護ステーションや地域の医療機関、ケアマネジャー、介護サービスの担当者などと連携しながら、患者さんの病状や生活状況に応じた支援を行っています。
例えば、訪問看護師による日常的な体調確認や医療的ケア、ケアマネジャーによる介護サービスの調整など、それぞれの専門性を活かした支援が重要になります。
また、詳しい検査や専門的な治療、入院が必要になった場合には、地域の医療機関との連携を通じて適切な医療につなげることを検討します。
患者さんとご家族が抱える不安にも目を向けながら、医療と介護が連携し、必要な支援を継続して受けられる在宅療養を大切にしています。
10.FAQ|訪問診療と往診の違いについてよくある質問

訪問診療と往診の一番大きな違いは何ですか?
訪問診療と往診の大きな違いは、医師が訪問する目的とタイミングです。
訪問診療は、通院が困難な患者さんに対して、あらかじめ診療計画を立て、定期的に自宅などを訪問する医療です。一方、往診は患者さんやご家族などの求めに応じて、医師が必要と判断した際に訪問します。
往診は緊急時だけに限らず、通院が難しい状況で必要に応じて行われることもあります。
訪問診療と往診はどちらも健康保険が使えますか?
訪問診療と往診は、いずれも医学的な必要性があり、保険診療の要件を満たす場合には健康保険が適用されます。
ただし、診療報酬の仕組みは異なり、訪問診療では定期的な診察や医学管理に関する費用、往診では訪問した際の診療内容などに応じた費用が発生します。
自己負担額は保険の負担割合や診療内容によって変わるため、利用前に医療機関へ確認するとよいでしょう。
訪問診療はどのような人が利用できますか?
訪問診療は、病気や障害などによって医療機関への通院が困難な方が主な対象です。
寝たきりの方だけでなく、歩行が不安定な方、認知症などによって一人での通院が難しい方、がんなどの病気で通院による負担が大きい方も対象となる場合があります。
年齢や病名だけで決まるものではなく、病状や生活環境などを踏まえて判断されます。通院が負担になってきた場合は相談を検討しましょう。
訪問診療を受けていなくても往診を頼めますか?
訪問診療を利用していない方でも、医師が必要と判断すれば往診を受けられる場合があります。
ただし、すべての医療機関が往診に対応しているわけではなく、診療体制や対応地域、患者さんの状態などによって可否が異なります。
また、依頼すれば必ず医師が訪問するというものではありません。通院が難しい場合は、まずかかりつけ医などに連絡し、往診が可能か確認することが大切です。
往診は当日でも依頼できますか?
往診は当日でも依頼できる場合がありますが、実際に対応できるかは医療機関の診療体制や医師の判断によります。
往診を希望する際には、現在の症状や発症した時間、持病、服用している薬などを伝えることが、必要な対応を判断する参考になります。
医師が往診よりも病院での診察や検査が適切と判断する場合もあります。急な体調変化があった場合は、早めに医療機関へ連絡しましょう。
夜間や休日でも往診に来てもらえますか?
夜間や休日の往診に対応している医療機関もありますが、すべての医療機関で利用できるわけではありません。
24時間の連絡体制がある場合でも、必ず医師が直ちに訪問するとは限らず、症状や緊急性によって対応方法が判断されます。
在宅療養を始める際には、夜間・休日の連絡方法を確認しておきましょう。
訪問診療を受けている場合、急な発熱でも往診してもらえますか?
訪問診療を受けている患者さんが急に発熱した場合、医師が必要と判断すれば臨時の往診が行われることがあります。
ただし、発熱したからといって必ず往診になるわけではありません。体温だけでなく、呼吸状態や意識、食事・水分摂取の状況、持病などを確認して対応を判断します。
発熱に加えて息苦しさや意識の変化などがある場合は、速やかな対応が必要です。まずは担当の医療機関へ連絡しましょう。
訪問診療と往診では費用はどちらが高いですか?
訪問診療と往診のどちらが高いかは、診療内容や訪問回数、時間帯などによって異なるため、一概には比較できません。
訪問診療では定期的な医学管理に関する費用などがかかる場合があり、往診では時間外・休日・深夜の対応に加算が発生することがあります。
また、検査や処置を行った場合は別途費用が必要です。自己負担割合や公費制度の適用状況によっても金額が変わるため、具体的な費用は医療機関へ確認しましょう。
往診で対応できない場合は入院できますか?
往診で対応が難しいと判断された場合は、病状に応じて病院への受診や入院が検討されます。
例えば、詳しい検査や専門的な治療、継続的な全身管理が必要な場合には、自宅での診療だけでは十分に対応できないことがあります。
ただし、入院の可否は受け入れ先の医療機関が判断するため、必ず入院できるとは限りません。緊急性が高い場合は救急搬送が必要になることもあります。
訪問診療や往診を希望するときは、どこに相談すればよいですか?
訪問診療や往診を希望する場合は、まずかかりつけ医や在宅医療に対応している医療機関へ相談しましょう。
訪問診療を検討している方は、病院の地域連携部門やケアマネジャー、地域包括支援センターなどに相談する方法もあります。
往診を希望する場合は、現在の症状や通院が難しい理由を伝えることが大切です。必要な医療を継続して受けられるよう、早めに相談しておくとよいでしょう。
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監修:かなまち慈優クリニック
所在地:東京都葛飾区東金町1丁目41-3 No.5ウバノビル2F
電話番号:03-3609-0133
*監修者
かなまち慈優クリニック
理事長 高山哲朗
*専門分野
・内科
・消化器内科
・緩和医療
・産業医学
*職歴
・慶應義塾大学病院
・東京歯科大学市川総合病院
・北里研究所病院
・埼玉社会保険病院
・わたクリニック 副院長
*資格
・医学博士
・日本内科学会 認定医
・日本内科学会 総合内科専門医
・日本消化器病学会 専門医
・日本消化器内視鏡学会 専門医
・日本医師会 認定産業医
・緩和ケア研修会 修了
*その他の活動
・東海大学医学部 客員准教授
・NPO法人PDN(Patient Doctors Network) 理事
・PEG・在宅医療学会 データ委員
・予測医学研究所 所長
・葛飾区 内視鏡検査読影 世話人